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マイルCSで狙うべきは4勝すべてが1600mのマイラーと、日本を代表する名牝系の出身馬 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki

 ナミュールは実力も十分で、これまでにGⅡチューリップ賞(阪神・芝1600m)、GⅡ富士S(東京・芝1600m)とマイル重賞を2勝。3歳時はGⅠ秋華賞(阪神・芝2000m)2着、GⅠオークス(東京・芝2400m)3着など中長距離でも結果を残していたが、これまで勝利した4勝はすべて1600mであるように本質は「マイラー」だ。

 前走の富士Sは、GⅠ安田記念16着以来約4カ月半ぶりの出走だったが、これまで大きな課題だったスタートをうまく決め、スムーズな競馬で差し切った。充実の4歳秋を迎え、本格化したと見てよさそう。GⅠ初制覇に期待したい。

 もう1頭はレッドモンレーヴ(牡4歳、美浦・蛯名正義厩舎)を推す。父ロードカナロアの産駒は2018年にステルヴィオが勝利。母の父ディープインパクトの組み合わせは、先週のGⅠエリザベス女王杯を勝ったブレイディヴェーグと同じだ。祖母エアグルーヴはGⅠオークス、GⅠ天皇賞・秋を勝った名牝で、近親にはルーラーシップ、ドゥラメンテ、アドマイヤグルーヴ、ジュンライトボルトなどがいる日本を代表する名牝系の出身でもある。

 レッドモンレーヴは今春のGⅡ京王杯スプリングC(東京・芝1400m)勝ち馬。安田記念は6着に敗れたが、前走の富士Sではメンバー最速の上がり3F33秒7の差し脚を見せてナミュールに次ぐ2着と好走。この馬もナミュール同様、4歳秋に充実期を迎えている印象で、やはりGⅠ初勝利に期待がかかる。

 以上、今年のマイルチャンピオンシップは、ハービンジャー産駒ナミュール、ロードカナロア産駒レッドモンレーヴの2頭に注目する。

著者プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

【写真】 的中なるか!大原優乃・競馬インタビューカット集

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