天皇賞・秋は世界最強馬が参戦 穴党記者が狙うのはオイシイ配当が見込めるGI馬、GI好走馬 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 そして松田記者は、人気の盲点になりそうな2頭の穴馬候補をピックアップした。

ジャックドールがまず、その筆頭です。昨年の4着馬が今年、大阪杯を制しGI馬となって戻ってきました。

 ローテは昨年同様、札幌記念からの直行。昨年は1着でしたが、今年は6着という結果に終わっての臨戦となります。とはいえ、今年の札幌記念は道悪のうえ、何が何でもハナをきりたいユニコーンライオンの存在もあって、力を出しきれなかったことが敗因でしょう。

 鞍上の武豊騎手も『(展開が)流れると思ったけど、3角で前の馬の動きが見えにくかった』と振り返って、自分の競馬ができなかった点を強調していました。

天皇賞・秋での巻き返しが期待されるジャックドール。photo by Kyodo News天皇賞・秋での巻き返しが期待されるジャックドール。photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る 思えば、その札幌記念に限らず、2走前のGI安田記念(5着。6月4日/東京・芝1600m)は初のマイル戦、昨年暮れのGI香港C(7着。香港・芝2000m)は初の海外遠征と、ここ最近の敗戦には常にある程度のエクスキューズがありました。

 昨年の天皇賞・秋もそう。徹底先行型のパンサラッサが大逃げを打ったことで、2番手以下が動けない形、ある意味で消極的な競馬に巻き込まれてしまいました。

 出来落ちが感じられた昨年の大阪杯(5着)は落鉄もあって、行きっぷりが鈍かったです。しかし、今年の大阪杯では自分の形に持ち込んで逃げきっているように、大舞台でも展開ひとつ、と言えます。 

 まして、今年は先行脚質の馬が少ないうえ、11頭と少頭数の争い。レースで逃げ馬の成否のカギを握るのは2番手の存在ですが、それがどの馬か見極めるのも難しいほど、前有利が見込めるメンバー構成です。

 3歳秋以降、中京と東京の芝2000mで記録した5連勝はすべて、前半1000mより後半1000mのほうが速い、いわゆる後傾ラップでした。自ら消耗戦に持ち込めそうな今年は、あれよあれよの逃げきりがあっても驚けません」

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