新潟への移動でアクシデント発生!? 北陸道をゆく「旅打ち」は無事に成し遂げられるか (3ページ目)

  • 新山藍朗●取材・文 text&photo by Niiyama Airo

 勝負は5レースの新馬戦から。軸は1番人気の馬で堅いとみて、そこから人気薄3頭へ流すと、これが見事に的中。早速、ビールで祝杯だ。

 ついでに、燕三条名物の背脂ラーメンで腹ごしらえ。麺をすすりながら、「今日もツキがある」と思ってほくそ笑んでいたが、以降、10レースまではさっぱり。予想がかすりもせず、ハズレまくった。

 このままだと、ギャンブル代は赤字必至。それでは沽券にかかわると奮起して、メインの第11レースは資金を奮発して馬連勝負。これがなんとか当たって、負けは最後の最後で取り返した。

最後の最後に勝って、再び負け分を取り返した最後の最後に勝って、再び負け分を取り返したこの記事に関連する写真を見る それにしても、今回の「旅打ち」では競馬でもボートでも、しぶとく最後に勝って取り返す、ということが続いた。ふだんの自分はまったくそんなキャラではない。負け始めると、そのままズルズルと深みにハマっていくタイプだ。

 それなのに、粘り強さを発揮し続けた今回。もしかすると、旅に出た方角がよかったのだろうか。

 旅を終えて今、あまり教訓めいたことは言いたくないが、"タイパ"か何か知らないが、何でも省略してショートカットするのが当たり前の時代にあって、あえて何ら省略することなく、一つひとつ積み重ねるようにして旅をするのは悪くない。思わぬ感動や発見があったりして、面白い。予想外のトラブルもまた、いい思い出となる。

 今回の旅では、列車の待ち時間の合間に何度か、すぐ近くから祭囃子(まつりばやし)が聞こえてきた。以前の日常が、戻りつつあるなぁと感じた。

(おわり)

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