アイビスSDは今年も荒れる 穴党記者が狙いを定めた伏兵3頭の大駆けに期待膨らむ (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 2頭目は、ダート路線から転戦してきた馬だ。

ヤマトコウセイ(牝4歳)です。昨年、ダート戦線で4勝を挙げてオープン入り。持続力のあるスピードタイプで、この舞台はいかにも合いそう。現に3歳時の昨春、1勝クラスのはやぶさ賞(新潟・芝1000m)で3着と好走し、千直適性の片りんを見せています」

 今年もオープン特別の北九州短距離S(2月12日/小倉・芝1200m)で芝のレースに挑んだが、この時は18着と惨敗した。

「あの時の小倉は、どの馬も内ラチから3~4頭分を空けて走っていたくらいで、インコースの馬場は相当悪い状態でした。そんな馬場状態で1枠1番発走。内に押し込められてしまう不運がありました。それでも、3~4番手で先行するスピードを見せました。

 前走のオープン特別・越後S(5月6日/新潟・ダート1200m)は発走直前に競走除外となってしまいましたが、そこからしっかりと立て直しを図っています。休み明けも苦にしない血統ですし、暑い時期の新潟にも実績があります。大敗続き+前走除外で完全に人気の盲点になっているはず。馬券的な妙味は大きいと思いますよ」

 小田記者が推奨する3頭目は、スピード争いとは違った展開になった時の「3着候補」だと言う。

チェアリングソング(牡6歳)です。2走前の韋駄天S(5月21日)では8枠15番と絶好枠からのスタートでしたが、決め手勝負の馬ゆえ他馬にどんどん前に入られて、絶好枠発走がむしろマイナスになってしまいました。

 近走では大きい着順が続いているものの、タイム的には着順ほど大きく負けていません。今回の鞍上はコース成績のいい藤田菜七子騎手ですし、まとめて差しきるまでは厳しいかもしれませんが、3連単のヒモとして押さえておけば、高配当につながる可能性はあると思います」

 夏の新潟の"名物重賞"。今年波乱を起こすのは、ここに挙げた3頭であってもおかしくない。

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