「将棋の世界しか知らなかった」竹俣紅アナがアナウンサーの道を選んだわけ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

――この春でフジテレビ入社3年目を迎えました。これまでのアナウンサー生活を振り返っていかがですか。

「入社1年目に比べ2年目、2年目に比べて今、『こういう声も出せるようになったんだな』と幅の広がりを感じることができた時は、自分でも成長したなと思います。これからも自分の声をどんどん磨いていけたらいいなと思っています」

――アナウンサーになって一番苦労したことは、どんなことですか。

「学生時代にテレビに出ていた影響もあって、1年目は特に、アナウンサーとして見てもらえないことにすごく悩みました」

――どうしても元女流棋士のイメージが強くなってしまう。

「自分がどれだけアナウンス技術を磨いても、アナウンサーとはなかなか思ってもらえない。だからこそ、自分が女流棋士時代の話をすると、余計にアナウンサーではない印象を与えてしまうのかなと思い、昔の話をするのをやめておこうと思ったりすることもありました。

 まだ20数年しか生きていないうちの15年を将棋に費やしてきたわけですから、『そりゃあ、そうなるよな』とは思うんですけど......。

 でも、今はそのように考えないようになりました。人にどう見られるかは、自分が考えても仕方のないことなので。だから一生懸命に仕事をして、先輩方やスタッフの方、周りの人たちにちゃんと仕事ができるアナウンサーなんだと思ってもらえることが大事かな、と」

――自分なりに折り合いをつけられるようになった、と。

「そうですね。今回競馬番組を担当するにあたっても、今まで自分が将棋の研究をしてきて、モノを調べることに慣れていたというところがすごく生かされているなと思いますし、同じ勝負の世界という、ちょっと感覚的には通じるところもある場所で、またこういう仕事にめぐり逢えたことを今はうれしく思っています」

――『みんなのKEIBA』はテレビを見ていてもスタジオ内の和気あいあいとした雰囲気が伝わってきますが、実際の居心地はいかがですか。

「現場へ行くと、競馬の話ができるのですごく楽しいです。家にいると、むしろ私が家族に説明する役になってしまうので......(苦笑)。私のような初心者の素朴な疑問にも、DAIGOさんはじめ、井崎(脩五郎)先生や細江(純子)さん、佐野(瑞樹)アナウンサーやスタッフのみなさんが丁寧に答えてくださって、ありがたいなと思っています。

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