天皇賞・春の本命タイトルホルダーの血統的信頼度は? もう1頭の注目は長距離適性が高いディープインパクト産駒

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 4月30日(日)、京都競馬場で4歳以上馬によるGⅠ天皇賞・春(芝3200m)が行なわれる。

 このレースは、リニューアルされた京都競馬場での初のGⅠレース。過去2年は阪神競馬場で行なわれており、京都競馬場で開催されるのは3年ぶりとなる。京都競馬場の芝馬場は4コーナーのカーブが緩やかになるなどの改修が行なわれたが、大きな変化はなく、開幕1週目の結果を見ると時計の出る走りやすい馬場になっているようだ。

 今回、最大の注目馬は昨年の勝ち馬タイトルホルダー(牡5歳、美浦・栗田徹厩舎)だろう。昨年のこのレースは、逃げて7馬身差の圧勝。今年は3月のGⅡ日経賞(中山・芝2500m)から始動して8馬身差の圧勝と、いい状態で臨んできている。

前走の日経賞を圧勝したタイトルホルダー前走の日経賞を圧勝したタイトルホルダーこの記事に関連する写真を見る 3歳時のGⅠ菊花賞(阪神・芝3000m)でも5馬身差で勝利していて、すでに長距離では「現役最強」とも言える走りを見せている。あらためてその血統と、このレースの適性を分析してみよう。

 父ドゥラメンテの産駒は昨年から活躍馬が続出。スターズオンアースが桜花賞とオークスを勝ち、昨年の暮れにはリバティアイランドが阪神JFを、ドゥラエレーデがホープフルSを勝利。今年に入ってもリバティアイランドが桜花賞を勝利するなど、JRAサイアーランキングで2位に入っている。

 初年度の産駒が5歳で、まだ3世代しか出走していないものの、芝2500m以上では58戦10勝、勝率17.2%、連対率24.1%という好成績を残している。京都競馬場では17戦1勝と勝率は低いが、2020年には当時2歳のアスコルターレがオープン特別のもみじSを快勝しており、馬場の相性は悪くなさそうだ。

 母の父モティヴェイターの勢いも見逃せない。これまでJRAでの出走馬9頭のうち4頭が重賞勝ち馬となっている優秀な「母の父」だが、今年はソールオリエンス(父キタサンブラック)がGⅠ皐月賞を勝利。さらに先週のGⅢ福島牝馬Sをステラリア(父キズナ)が勝利と、2週連続で重賞を勝利している。重賞出走機会3連勝というのも驚異的で、タイトルホルダーにも継続してほしいものだ。

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