フローラSは「荒れる」重賞の代表格 穴党記者が推す末脚秘めた2頭が高配当を演出か

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 春の東京開催がスタート。その開幕週にはGIオークス(5月21日/東京・芝2400m)のトライアル、GIIフローラS(4月23日/東京・芝2000m)が行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は2勝、2着1回。その信頼度はかなり低い。おかげで、3連単はすべて万馬券。そのうち6回は10万円超えの高額配当となっている。2014年には100万円超えの配当が飛び出しており、JRA屈指の"穴重賞"と言っても過言ではない。

 さて、今年はどうか。まずは今回のレースの意味合いについて、日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。

「今年の3歳牝馬路線は、GI桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)を制したリバティアイランド(牝3歳)の完全なる"1強"状態。4月19日現在、オークスに進む予定で二冠濃厚と見られています。

 そうしたなか、すでに対戦経験のある馬とは勝負づけが済んでおり、新興勢力を見つけるという意味で、フローラSは重要なレースになると言えるでしょう」

 松田記者は続けて、フローラSのレースの特徴についてこんな見解を示す。

「約2カ月ぶりの東京開催。注目すべき馬場傾向は、良好と思われます。ただ、府中の2000m戦において、3歳牝馬が強気な競馬で最後の直線まで走りきるのはかなりきついんですよ。

 実際、過去5年の勝ち馬は4角4番手以下。先行勢は、道中ハイペースで運べばスタミナ切れを起こし、スローに落とせばヨーイドンの競馬となって、末脚の鋭い馬が後方から飛んでくるといった、特殊な難しさを持ったレースです。

 そうしたなかで、狙うべきは持久力型か、瞬発力型か。今年は後者と見ます。出走予定馬15頭のうち、逃げ経験馬はわずか3頭。そして、該当馬が逃げたそれぞれのレースは、いずれも1000m通過が62秒よりも遅いスローペースでした。

 ということは、通常東京・芝2000mでは2角までの位置取りが激しくなりますが、今年のこのレースに限ってはそこまで厳しいペースにはなりそうもありません。隊列もタテ長にはなりにくく、ある程度固まった馬群でレースは進みそうです。

 その結果、最後は直線ヨーイドンの競馬。そんな展開をイメージすると、鋭い末脚を秘めた瞬発力に優れた馬が面白いのではないかと踏んでいます」

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