激戦の皐月賞で求められるのは精神的なタフさ 本番への「試走」もこなした経験豊富な馬に一発の期待 (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Sankei Visual

 2戦目のGIII共同通信杯(4着。2月12日/東京・芝1800m)は折り合い重視の乗り方で、やや脚を余した感がありますが、弥生賞では初めてコンビを組んだ松山弘平騎手が、勝負どころで早めに動いて脚を出しきるという、この馬の長所をうまく引き出しました。堀宣行厩舎にしては珍しい、中2週の使い方にも応えたように、精神的にもタフな印象があります。

 他では、GIIスプリングS(3月19日/中山・芝1800m)で3連勝を飾ったベラジオオペラ(牡3歳)が有力候補です。3戦すべて違う競馬場、しかもすべて違う馬場状態で結果を出したところは評価できますし、関東圏への輸送も慣れたものです。

 前走は同型が多くて、初めて控える競馬となりましたが、それで結果を出せたのも、この馬の対応力の高さを示すもの。どんな状況になっても、脆さを出さずに闘争心を失わないのは、精神的に強い証拠です。

 今回はそれまで騎乗してきた横山武史騎手が、他に先約があって乗れませんが、こういう柔軟性の高いタイプはテン乗りでも、大きくパフォーマンスを落とさずに走れるはずです。

──さて、過去にこのレースを勝ったことのある大西さんから見て、穴馬候補としてピックアップしたい存在はいますか。

大西 先ほども"レース経験"ということに触れましたが、僕は出走メンバーのなかで最も多くのキャリアがある、トップナイフ(牡3歳)がとても気になっています。多くの馬が前走で賞金加算、あるいは出走権利を獲得して臨むなか、この馬は2歳の時点ですでに賞金面をクリアしている数少ない存在です。

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