弥生賞でクラシックの出走権を手にするのは? このレースを知り尽くした名手を鞍上に据えた1勝馬がいかにも怪しい (2ページ目)

  • 武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku
  • photo by Sankei Visual

――ところで、今年はトップジョッキーの多くがクラシックにおけるパートナーが確定していません。

大西 今年のクラシックを占ううえで、その点は大きなポイントになりそうな気がしています。賞金上位の3歳牡馬で、ここまで鞍上が固定されているのは、川田将雅騎手が手綱をとってきたお手馬(フリームファクシ、ダノンタッチダウン、ダノンザタイガー、チャンスザローゼス)くらいでしょうか。ただ、これらの馬も川田騎手が騎乗できるのは1頭だけ。この先は乗り替わりが発生してきます。

 そうなると、厩舎と騎手の結びつきなどを含めて、今後どういうコンビが結成されていくのか、要注目となりますね。

 そして、騎手の気持ちに立てば、このような不透明な状況だからこそ、クラシックに乗れる選択肢は少しでも増やしておきたいと思うのが自然です。よって、今回の弥生賞でも手綱をとる騎手たちは、優先出走権の獲得圏内を強く意識した乗り方をしてくるのではないでしょうか。

弥生賞での激走が期待されるゴッドファーザー弥生賞での激走が期待されるゴッドファーザーこの記事に関連する写真を見る――そうなると、ここではメンバーの戦績や能力比較だけでなく、乗り役や陣営の思惑などにも注意を配る必要がありそうですね。その辺りを含めて、大西さんが今回の弥生賞で注目している穴馬を教えてください。

大西 未勝利戦を大差勝ちしたゴッドファーザー(牡3歳)が気になります。美浦の萩原清厩舎が、わざわざ栗東の武豊騎手を手配してきたことに、陣営の本気度が感じられます。

 僕のなかでは、いまだに"弥生賞=武豊"というイメージを強く抱いていて、1996年のダンスインザダークから、1997年のランニングゲイル、1998年のスペシャルウィークまでの3連覇。2005年のディープインパクトから、2006年のアドマイヤムーン、2007年のアドマイヤオーラまでの3連覇などは、強烈な印象として残っています。

 弥生賞の騎乗成績は、21戦8勝、2着6回、3着2回、着外5回。馬券圏内が"4回に3回"というのは、とてつもない記録ですよね。

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