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チューリップ賞はディープインパクト系が好成績 マイラー血統の本命馬と大物牝馬が多いキズナ産駒の2頭を狙う (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 母の父フランケルは芝7~10Fの英GⅠを10勝した名馬で、日本でもソウルスターリング、モズアスコット、グレナディアガーズと3頭のGⅠ馬が出ている。ちなみに、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)、GⅠオークス(東京・芝2400m)を勝ったソウルスターリングはチューリップ賞の勝ち馬でもある。

グレナディアガーズは、チューリップ賞と同じ阪神・芝1600mで行なわれたGⅠ朝日杯フューチュリティSの勝ち馬。モズメイメイ自身は同じコースでの前走、こぶし賞を制し、デビュー戦と合わせて芝1600mでは2戦2勝となった。血統、コース実績ともに申し分ないと言える。

 もう1頭はレミージュ(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)に注目。父キズナはGⅠ日本ダービーの勝ち馬で、GⅠ安田記念のソングライン、GⅠエリザベス女王杯のアカイイトと、種牡馬としては牝馬の大物を出している。

 2020年にはマルターズディオサがチューリップ賞を勝利し、21年にはファインルージュが桜花賞で3着に入っている。レミージュはマルターズディオサとは血統構成がよく似ていて、母系のゴーンウエスト、ヌレイエフ、リヴァーマン、ニジンスキーに加え、セクレタリアトのクロスも共通する。

 レミージュは昨暮れのエリカ賞(1勝クラス、阪神・芝2000m)の勝ち馬。前走は果敢にも牡馬混合のGⅢきさらぎ賞に挑戦し、5着に敗れたとはいえ強い相手と戦った経験は大きいはずだ。1600mは初となるが、キズナ産駒の牝馬は2~3歳のマイル戦線に強いため、対応できるだろう。

 以上、今年のチューリップ賞は、リアルインパクト産駒モズメイメイ、キズナ産駒レミージュの、ディープインパクト系の2頭に期待する。

著者プロフィール

  • 平出 貴昭

    平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)

    主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide

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