ディープインパクトのラストクロップ、ライトクオンタムは父譲りの末脚で世代の頂点に立てるか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

2023年クラシック候補たち
第2回:ライトクオンタム

 長年にわたって種牡馬リーディングのトップに君臨してきたディープインパクトだが、2019年に死去。今年の3歳世代が最後の産駒となる。そのうち、日本で登録されたのはわずか6頭。そんな数少ない精鋭のなかから、早くも重賞ウイナーが誕生した。

 1月8日のGIIIシンザン記念(中京・芝1600m)を制したライトクオンタム(牝3歳)である。

出世レースのシンザン記念を快勝したライトクオンタム出世レースのシンザン記念を快勝したライトクオンタムこの記事に関連する写真を見る 栗東トレセンの武幸四郎厩舎に所属する同馬は、母もアメリカのGⅠゲイムリーS(アメリカ・芝1800m)を勝っているイルミナントという良血。デビュー前から期待された逸材で、初陣となる2歳新馬(11月12日/東京・芝1600m)では1番人気に推された。

 レースでは8枠11番という大外枠発走ながら、好スタートをきって先頭に立つと、道中リズムよく運んだ。直線に入ってからも、最内を悠々の疾走。他馬が外から並びかけようとするが、詰め寄ることさえできなかった。結局、鞍上のクリストフ・ルメール騎手がムチを入れることもなく、難なく逃げきり勝ちを収めた。

 続いて挑んだのが、シンザン記念。初戦とは一転、スタートで出遅れて後方3番手でレースを進めた。向正面では先頭から10馬身近く離されての追走となったが、直線を迎えて大外から強襲。手綱をとった武豊騎手の仕掛けに鋭く反応し、内をいくライバルたちを次々にかわしていって、最後は逃げ粘るペースセッティングもあっさり捕えて快勝した。その弾むようなキレ味は、まさに父ディープインパクトを彷彿とさせるものだった。

 この勝利で一躍春のクラシック候補に名乗りを挙げたライトクオンタム。関西競馬専門紙のトラックマンは、同馬についてこう分析する。

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