ウマ娘でも「皇帝」と呼ばれるシンボリルドルフ。豪華な3強対決も圧勝した有馬記念の伝説の走り (2ページ目)
事実、レースはこの3頭による1~3着独占で終わる。しかし、レースの主役は完全にシンボリルドルフであった。
この日もカツラギエースの逃げでレースは幕を明けた。前走の再現を狙うべく、じわじわと後続との距離を取っていく。5馬身ほどのリード取って1周目のゴール前を通過していくが、ここで場内からどっと歓声が上がった。なんと、普段なら中団でレースを進めるシンボリルドルフが2番手に陣取ったのだ。後方には追い込み勝負のミスターシービーも控えているが、そんなことはお構いなし。ただ、前走と同じ轍は踏まないとばかりに、カツラギエースだけに照準を定めた。
向こう正面に入ると、いつの間にか2頭の差は3馬身ほどに縮まっていた。そして3コーナーを迎えるころには1馬身半差。そして4コーナーでは半馬身差に差を詰める。鞍上の岡部幸雄騎手の手はまだ大きく動いていない。だが、"獲物"を仕留めにいく圧倒的強者のオーラがビンビンに伝わってくる。残り200mを過ぎてシンボリルドルフが先頭に立つと、あとは独壇場。馬群を捌いてミスターシービーも追い込んでくるが、時すでに遅し。1馬身、2馬身とシンボリルドルフはカツラギエースを置き去りにしていく。3強対決は接戦にすらならず、シンボリルドルフの圧勝で幕を閉じた。
そのあと、カツラギエースはこのレースを最後に引退、ミスターシービーも翌年の天皇賞・春で再度シンボリルドルフに敗れたのを最後にターフを去った。
そしてシンボリルドルフは翌年の有馬記念でも「皇帝」たる走りを見せる。その話はまた別の機会に譲りたい。
今年の有馬記念は三冠馬こそいないものの、GI3勝馬2頭に、天皇賞・秋の勝ち馬、そしてジャパンC馬も出走する。どの馬が圧倒的な力で制圧するのか、それとも混戦となるのか。グランプリまで1週間を切った。
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