朝日杯FSも波乱の予感。穴党記者がピックアップした伏兵2頭は陣営も好感触を示す (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 また、伯父にシンガポールのGIを含めて重賞3勝を挙げているシャドウゲイトがいる血統も魅力。秘めたポテンシャルは、いきなりの大舞台でも侮れません。

 1週前の追い切りに騎乗した藤岡康太騎手も、『前走時よりもしっかりと動けるようになっています。まだ緩さはありますが、一度使って芯が入った感じです』と、同馬の上昇ムードを感じとっていました。

 先週の阪神JFでも、1戦1勝馬のシンリョクカが12番人気で2着と穴をあけました。今週も同様の再現があるかもしれません」

 奥田記者が名前を挙げたもう1頭は、外国産馬のフロムダスク(牡2歳)だ。

「小倉・芝1200mの新馬戦(9月3日)を勝ち上がり、次走のオープン特別・カンナS(9月24日/中山・芝1200m)では2番人気に推されながら10着と惨敗。おかげで、距離も延ばして挑んだ前走のGII京王杯2歳S(11月5日/東京・芝1400m)では11番人気と評価を落としましたが、逃げ粘って2着に入りました。

 前述のエンファサイズのところで示したマイル以上のレースにおける連対実績はありませんが、管理する森秀行厩舎の高野正貴助手は、『マイル戦は初めてになりますが、レースがしやすいように思います』とコメント。前走で距離を延ばして好走しているだけに、今回も距離延長がプラスに出る可能性は大いにあると思います」

 加えて、奥田記者によれば、フロムダスクは過去に好配当をもたらした馬たちと、ある部分で共通点があるという。

「2015年に11番人気で3着入線を果たしたシャドウアプローチ、2016年に7番人気で2着に入ったモンドキャンノ、同12番人気で3着となったボンセルヴィーソなど、これら過去に人気薄で好走した馬たちは、フロムダスク同様、それまでに重賞での好走歴がありました。人気に関係なく、その実績は重視したいポイントです。

 この中間の動きも抜群で、1週前の追い切りでは坂路で4ハロン49秒7という好時計をマーク。高野助手も『前走のダメージもなく順調です。追い切りの動きはいいですし、上積みもあると思います』と、好調をアピールしています。

 鞍上は、昨年のレースで悲願の朝日杯FS初制覇を遂げたレジェンド・武豊騎手。呪縛から解き放たれた名手の手綱さばきにも期待です」

 前評判だけでは推し量れない若駒たちの争い。今週はここに名前の挙がった馬たちがオイシイ配当をもたらしてくれるかもしれない。

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