マイルCSで狙うべきは「レースと縁がある血統馬」。唯一のディープインパクト産駒による波乱の可能性も

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 11月20日、阪神競馬場で3歳以上よるGⅠマイルチャンピオンシップ(芝1600m)が行なわれる。通常は京都で行なわれるが、今年は京都競馬場改修工事の関係で、昨年に続き阪神競馬場で開催される。このレースを血統的視点から分析していきたい。

 GⅠレースは、そのレースと相性がいい血統馬を狙うのが有効。この秋だけでも、GⅠスプリンターズSのジャンダルムが母ビリーヴに続く母仔制覇、GⅠ菊花賞のアスクビクターモアが父ディープインパクトに次ぐ父仔制覇&ディープインパクト産駒が5勝目、GⅠ天皇賞・秋のイクイノックスが父キタサンブラックに続く父仔制覇と、縁のある血統馬が勝利を収めた。

 今回、その視点から狙ってみたいのがピースオブエイト(牡3歳、栗東・奥村豊厩舎)だ。

今年3月の毎日杯で重賞を初制覇したピースオブエイト今年3月の毎日杯で重賞を初制覇したピースオブエイトこの記事に関連する写真を見る 父スクリーンヒーローはGⅠジャパンCの勝ち馬。産駒はGⅠ有馬記念のゴールドアクターなど芝中長距離馬も出すが、代表産駒であるモーリスは天皇賞・秋、GⅠ香港Cの2000m戦のほか、このマイルチャンピオンシップなどマイルGⅠを4勝した名マイラーだった。

 ピースオブエイトはモーリスと非常に似た血統構成になっていて、母系のサドラーズウェルズとリファールが共通している。また、先日のGⅠエリザベス女王杯を勝ったモーリス産駒のジェラルディーナとも共通する血が多く、サドラーズウェルズ、リファールのほかに母系のダンチヒが共通している。

 もともとスクリーンヒーローとダンチヒは相性がよく、GⅡオールカマーなど重賞3勝、先日のエリザベス女王杯2着のウインマリリンや、GⅡセントライト記念のジェネラーレウーノも母系にこの血を持っている。ピースオブエイトはモーリスが母系に持つサドラーズウェルズ、リファールに加えてダンチヒも持つという、いわば"トリプルニックス"の持ち主なのだ。

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