関屋記念は末脚に特化したタイプが優位。騎手の奮起が期待できる伏兵の一発に要注意 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 そこで、今年の関屋記念。出走メンバーを見渡してみると、逃げ・先行馬が手薄なため、スローな展開が予想されます。だからといって、単純に"前有利(=後ろ不利)"とは言えません。1分31秒台の高速決着に対応できれば、末脚勝負の追い込み馬でも勝ち負けを演じる可能性は大いにありそうです。

 こうした状況からして、前走のGI安田記念(6月5日/東京・芝1600m)では1番人気を裏切って8着に敗れたイルーシヴパンサー(牡4歳)の巻き返しが、かなりの確率であるのではないかと踏んでいます。

 マイルの頂上決戦ともなると、ちょっとした騎乗ミスが命取りになりますが、安田記念のイルーシヴパンサーは、ポジショニングがやや悪かったことと、上がっていくタイミングが少し遅かっただけ。直線の伸びは目立っていましたし、乗り方ひとつで勝ち負けに加わってもおかしくありませんでした。

 そうして今回は、田辺裕信騎手から岩田望来騎手へと乗り替わり。この采配には陣営のさまざまな考えがあってのものと思いますが、若くて勢いのあるジョッキーを起用するからには、「もう少し前で乗って、存分に末脚を引き出してほしい」といったことを期待しているのだと思います。

 この馬が有力馬の1頭であることは間違いなく、このコンビでどこまでパフォーマンスをアップできるのか、楽しみにしています。

関屋記念での一発が期待されるエアファンディタ関屋記念での一発が期待されるエアファンディタこの記事に関連する写真を見る 持ち時計にも目を向けてみると、エアファンディタ(牡5歳)が穴馬候補になり得ます。

 昨秋にオープン入りを果たして以降は、オープン特別を一度勝っただけですが、その時の勝ちタイムが1分31秒9。高速決着にも対応し、残り200m過ぎから大外に出して鋭く伸び、上がり33秒3という豪脚を繰り出して見事に差し切りました。

 負かした相手には、その後の重賞戦線で好走を続けているダーリントンホールやファルコニアがいましたから、メンバー構成も決して恵まれていたわけではありません。

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