アイビスSDは「初物尽くし」でも魅力たっぷりの人馬に一発の期待 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 余談ですが、千直レースが初めて行なわれた時も、内目の枠の馬は内ラチへ、外目の枠の馬は外ラチへと、2つの小集団が形成される形でレースは展開されました。2枠3番のセトブリッジに騎乗した僕は、内でレースを運んで、最後になんとかハナ差だけ出て勝つことができました。

 こうした例を踏まえれば、枠順の「外が絶対。内はダメ」と決めつけるのは危険です。馬場状況によって、騎手もいろいろと考えを巡らせて、工夫した乗り方を研究し、試みてきます。予想する側も柔軟な発想を持って臨んだほうがいいでしょう。

 ところで、今年は騎手も多彩な顔触れがそろいました。香港から初来日するチャクイウ・ホー(ヴィンセント・ホー)騎手や、話題のルーキー・今村聖奈騎手をはじめ、ふだんはあまり千直に乗らない騎手も多く参戦。「今年はまた違った競馬が見られるかも......」といった期待が膨らんでいます。

 特殊な条件だけに騎乗経験が豊富なほうが有利だとは思いますが、経験が浅いからこそ、思いきった騎乗ができる可能性もあり、騎手それぞれがどういった騎乗でパートナーの能力を引き出してくるのか、とても興味が湧きますね。

 今回、僕が最も注目しているのは、鞍上も馬もこの条件が初めて、というコンビ。先述のホー騎手が手綱をとるアヌラーダプラ(牝5歳)です。

アイビスSDでの勝ち負けが期待されるアヌラーダプラアイビスSDでの勝ち負けが期待されるアヌラーダプラこの記事に関連する写真を見る

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