波乱含みの七夕賞。信頼度低い上位人気馬に代わって浮上するのは鞍上に勢いある人気薄の逃げ馬 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 さて、話を戻しましょう。先週のラジオNIKKEI賞の結果と、こうした福島競馬場の特徴も加味して、七夕賞の行方を占っていきたいと思います。

 上位人気が予想されるのは、ヒートオンビート(牡5歳)、アンティシペイト(牡5歳)、フォルコメン(せん6歳)あたりでしょうか。これらは皆、どちらかと言うと大味なタイプです。

 ヒートオンビートはここ最近、長めの距離を走っていることで序盤の追走が課題になります。だとしても、中団より前にとりついて、なおかつ、人気を背負うからといって安全運転の騎乗(安易に外を回すこと)をしないことが求められますが、はたして......。

 アンティシペイトは、前走のリステッド競走・福島民報杯(1着。4月17日/福島・芝2000m)では大外まくりがドンピシャにハマりましたが、それはハイペースの展開と時計のかかる馬場がかみ合った印象が強いです。今回、当時とは展開も馬場も大きく変わってくると思うので、同じ競馬が通用するかどうか......。

 フォルコメンも、前走のGIIIダービー卿チャレンジトロフィー(2着。4月2日/中山・芝1600m)では鮮やかな追い込みを見せましたが、同レースはハイペースで前崩れの展開だったことで、最後方待機からの大外ぶん回しがハマッた形。今回望まれている騎乗とは真逆のパターンでの好走ゆえ、そこは懸念材料となります。

 立ち回りの起用さが求められる福島・芝2000mという舞台を考えると、これら上位人気馬は決して信頼度が高いとは言えません。穴馬が台頭する余地はそれなりにあると見ています。

 こうした状況にあって、一番注意したいのは"逃げ馬"です。昨年もこのレースは逃げ馬と番手の馬がワンツーフィニッシュを決めましたが、再びそのパターンになる可能性は十分にあるでしょう。

昨年は中山牝馬S(写真)、七夕賞と重賞で2度、2着と好走しているロザムール昨年は中山牝馬S(写真)、七夕賞と重賞で2度、2着と好走しているロザムールこの記事に関連する写真を見る そして今年も、逃げて主導権を奪いそうなのがロザムール(牝6歳)。昨年は7番人気で逃げて2着に粘り、波乱を演出しました。

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