好配当必至の安田記念。人気の盲点となりそうな地力ある実績馬2頭が波乱を演出か

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 東京競馬場でのGI5週連続開催も残るはひとつ。ラストを飾るのは、春の「マイル王決定戦」となるGI安田記念(6月5日/東京・芝1600m)だ。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は3勝、2着3回、3着2回。比較的安定した成績を残しているが、ここ最近は6年連続で勝利なし。直近3年を見れば、アーモンドアイ(2019年、2020年)、グランアレグリア(2021年)と、断然の支持を集めた馬たちがとりこぼしている。

 おかげで、過去10年の3連単はすべて万馬券。10万円を超える配当が6度もあって、穴党垂涎のレースと言っても過言ではない。そして、今年も波乱ムードが充満。デイリー馬三郎の木村拓人記者もこんな見解を示す。

「そもそも今年は人気が割れそうですよね。下馬評からシュネルマイスター(牡4歳)が1番人気になると思うのですが、イルーシヴパンサー(牡4歳)、ソングライン(牝4歳)、ファインルージュ(牝4歳)らも人気しそうな感じですから。

 そのうえで、他にもこれらと力差のないメンバーが集結。枠順はもちろん、レース当日の馬場や展開など、ちょっとしたことで上位を争う顔ぶれが変わってくるのではないでしょうか」

 続けて木村記者は、人気が予想される面々についてこう分析する。

「シュネルマイスターは、前走のGIドバイターフ(3月26日/UAE・芝1800m)で8着と大敗。流れが向かなかったと言えば向かなかったのですが、管理する手塚貴久調教師が『状態が上がりきらなかった』と話しているように、出来も完璧というわけではなく、反応も今ひとつでした。そういう意味では、力負けではなく、まともならここでの巻き返しが見込めるのですが、ただ今回もちょっと重いように見えるんですよね。

 一方で、同じ勝負服のソングラインの状態はかなりいいようです。とはいえ、同馬は本質的にはマイル向きではなく、微妙に距離が長いと思っています。状態がいいからといって、飛びつきたくはないですね」

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