安田記念に強い「ストームキャットの血」。狙いは充実期を迎えている2頭の牝馬

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 6月5日、東京競馬場で3歳以上馬によるGⅠ安田記念(芝1600m)が行なわれる。

 昨年の安田記念の勝ち馬ダノンキングリー、マイルチャンピオンシップ勝ち馬グランアレグリアは引退したものの、昨年のNHKマイルC勝ち馬シュネルマイスター、2020年のホープフルS勝ち馬ダノンザキッド、2019年の朝日杯フューチュリティS勝ち馬サリオス、2019年の阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬レシステンシアが出走。今年の高松宮記念を勝ったナランフレグ、フェブラリーSを勝ったカフェファラオも含め、6頭のGⅠ馬が顔を揃える。

昨年10月、富士Sで22年ぶりとなる3歳牝馬Vを飾ったソングライン昨年10月、富士Sで22年ぶりとなる3歳牝馬Vを飾ったソングラインこの記事に関連する写真を見る 芝のマイルが主戦場とも言えない馬もおり、実に予想しがいのある今回のレースを、血統的視点から分析していこう。

 安田記念の血統的特徴として注目したいのが、ストームキャットを持つ馬の成績だ。直系の勝ち馬こそ出ていないものの、2013年のロードカナロア(母の父)、2017年のサトノアラジン(母の父)、2018年のモズアスコット(母の父ヘネシーの父)、2021年のダノンキングリー(母の父)と、過去9年で4頭の勝ち馬がストームキャットの血を母系に持っている。

 今回、ストームキャットの血を持つ馬で筆者が推したいのはソングライン(牝4歳、美浦・林徹厩舎)だ。

 同馬は、父のキズナが母の父にストームキャットの血を持つという血統構成。前述の4頭とは異なるパターンだが、キズナは
ディープインパクト産駒で母の父がストームキャットという 、サトノアラジン、ダノンキングリーと同じ配合となっている。

 キズナは現役時代、芝マイルでの出走はなかったが、もっとも短い距離の芝1800mでは3戦3勝。GⅢ毎日杯では1分46秒2の好タイムで3馬身差と、圧倒的な強さを見せた。また、同じ東京コースの日本ダービーを鮮やかな追い込みで制しているだけに、もし安田記念に出走しても強い競馬を見せていたはずだ。

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