日本ダービーでは人馬の信頼関係が不可欠。愛馬ととも成長してきた若武者の一発に期待 (4ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Kyodo News

 実力的には有力4頭とは差があるものの、馬券圏内(3着以内)に滑り込める穴馬として注目したいのは、菅原明良騎手が騎乗するオニャンコポン(牡3歳)です。

 21歳の若武者にとって、ダービー初騎乗は余りにも大きな重圧だと思いますが、ここまでの人馬の履歴に穴馬の可能性を見出せます。

 デビュー戦からここまで全5戦、オニャンコポンの手綱をとってきた菅原騎手。連勝したデビュー2戦は先行策をとっていましたが、3戦目のGIホープフルS(11着。中山・芝2000m)ではそれが通用しませんでした。そこで、続くGIII京成杯(1月16日/中山・芝2000m)では控える競馬を選択。見事に結果を出しました。

 その後、前走の皐月賞でも同様に控える競馬をしましたが、今度は展開が向きませんでした。その結果、6着に終わってしまいましたが、同じく後方から追い込んだドウデュースと差のない競馬を見せています。

 こうして、菅原騎手はオニャンコポンとともにいろいろな経験を積んできました。そして着実に力をつけてきた今、今度は思いきった先行策をとるようなら面白いところがあるのではないかと踏んでいます。ダービー初騎乗で後方から参加するのもどうかと思いますし、若者らしく思いきって積極的な競馬をしてほしいところです。

 僕はサニーブライアンで勝つ10年前に、サニースワローという馬でダービーに参戦。2着になったことがあるのですが、24頭中22番人気というまったくの人気薄でした。「負けてもともとなんだから、思いきって乗ろう」という気持ちで積極的な競馬を仕掛けたら、活路が開けました。

 ダービーという大舞台で「直線、自分が先頭に立ってる!」という信じられないくらいの興奮を、ぜひ菅原騎手にも味わってもらいたいものです。きっと、その後の騎手人生が変わるはずですから。

 前途洋々の若武者へのエールも込めて、今回の「ヒモ穴馬」にオニャンコポンを指名したいと思います。

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