日本ダービーで4強を脅かす存在はいるか。穴党記者が「狙いたい」という伏兵2頭を侮るなかれ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 春競馬のクライマックス、GI日本ダービー(東京・芝2400m)が5月29日に行なわれる。

 過去10年の結果を見てみると、1番人気は3勝、2着2回、3着2回。複勝率70%は及第点と言えるが、可もなく不可もなくといったところか。

 一方で、7番人気以下の伏兵も頻繁に台頭しており、3連単ではしばしば好配当が生まれている。5万円を超える配当をつけたことが6度もあり、2018年には285万6300円という高額配当まで飛び出している。

 ただ今年は、比較的堅く収まるのではないか、という見方が強い。牡馬クラシック初戦のGI皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)で上位に入った4頭、1着ジオグリフ(牡3歳)、2着イクイノックス(牡3歳)、3着ドウデュース(牡3歳)、4着ダノンベルーガ(牡3歳)が有力視され、再びこの4頭が勝ち負けを演じると見られているからだ。日刊スポーツの松田直樹記者もこう語る。

「牡馬一冠目の皐月賞においては、そこに向かうローテのトレンドが変化し続けていますが、頂上決戦となるダービーへの臨戦過程は不変と言えます。1989年以降、過去33回で皐月賞組が24勝、過去10年間でも7勝。これらすべてに共通するのは皐月賞掲示板(5着以内)、または同1番人気馬だったことです。世代のトップ層相手に好走した馬は、そのままダービーでも上位に入るという認識でいいはずです」

 となると、今年のダービーに穴党の出番はないのか。松田記者は「(穴党の出番は)ゼロではない」と言う。

「馬券は3着まで当てて、完全勝利です。過去10年で皐月賞掲示板内の馬だけで決着したのは、2016年の1回だけ。今年は皐月賞上位4頭がハイレベルだとは思いますが、そのまま4頭で決着するとは限りません。そこに、好配当が生まれるカギがあると踏んでいます」

 そして、松田記者は「狙いたい穴馬がいるんです」と言って、2頭の伏兵候補を推奨する。

「1頭目は、皐月賞6着のオニャンコポン(牡3歳)です。勝ち馬のジオグリフとは、わずかコンマ4秒差。外から伸びてきた3着ドウデュースの脚がクローズアップされていることを思えば、同じような脚を使ったこの馬も注視すべきだと思っています。

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