マテンロウレオは日高の馬を愛する昆貢調教師が春の大舞台に自信を持って送り込む逸材

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第8回:マテンロウレオ

 現在の日本競馬はノーザンファームをはじめ、社台系の大牧場で生産された馬が圧倒的な強さを誇る。そんななか、サラブレッドの生産地として古くから知られる北海道・日高地方の牧場で産まれた馬にこだわっている調教師がいる。栗東トレセンの昆貢調教師だ。

 現に2008年のダービーを制したディープスカイや、2011年の天皇賞・春で戴冠を遂げたヒルノダムールなど、日高地方の生産馬で数多くのGIタイトルを奪取してきた。

 そして今年も、日高出身の3歳の逸材を管理して春の大舞台に送り込む。GIIIきさらぎ賞(2月6日/中京・芝2000m)で重賞勝ちを決めたマテンロウレオ(牡3歳/父ハーツクライ)だ。

きさらぎ賞を制したマテンロウレオきさらぎ賞を制したマテンロウレオこの記事に関連する写真を見る 同馬は昨秋の2歳新馬(10月30日/阪神・芝2000m)でデビュー。中団待機から直線では内を強襲し、前をいくライバルたちのわずかなスペースを縫って勝利をもぎとった。

 2戦目には、すかさずGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)に挑戦。結果は6着に終わったが、直線に入って大外に持ち出すと、しっかりと末脚を伸ばして上位との差を詰めた。勝ち馬とはコンマ5秒差。一定の能力を示す内容だった。

 続く3戦目に臨んだのが、きさらぎ賞。ここでも中団やや後方を追走し、前方馬群をきっちり射程圏にとらえながらレースを進めた。直線を迎えて外に出すと、自慢の末脚が炸裂。最後はダンテスヴューとの競り合いをハナ差制して、重賞ウイナーとなった。

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