フェブラリーSは今年も荒れるか。「お得意様」の血統から連対しそうな2頭をピックアップ

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 2月20日、東京競馬場で4歳以上馬によるGⅠフェブラリーS(ダート1600m)が行なわれる。このレースは1年で最初に開催されるJRAのGⅠレースとしてお馴染みで、1997年にGⅠに昇格してから今回が26回目となる。

前走のJBCスプリントで勝利したレッドルゼル前走のJBCスプリントで勝利したレッドルゼルこの記事に関連する写真を見る 2019年のインティ、2020年のモズアスコット、2021年のカフェファラオと3年連続で1番人気馬が勝利しているが、昨年は9番人気エアスピネルが2着、8番人気ワンダーリーデルが3着で3連単は10万円超え。一昨年も16番人気ケイティブレイブが2着に入り3連単は約46万円と、荒れる決着も少なくない。人気馬を抑えつつ、穴狙いをしてもいいだろう。

 このレースの血統的傾向で目立つのがミスタープロスペクター系の強さだ。過去4年では2018年ノンコノユメ(父トワイニング)、2019年インティ(父ケイムホーム)、2021年カフェファラオ(父アメリカンファラオ)の3頭が勝利。通算でも6頭が勝利している。これはミスタープロスペクター系にとって、GⅠレースとしてはスプリンターズSに次ぐ2位タイの勝利数となっており、「得意のレース」と言える。

 日本におけるミスタープロスペクター系といえば、キングカメハメハとその後継種牡馬であるロードカナロア、ルーラーシップ、ドゥラメンテなどが現在の主流系統。キングカメハメハの直系は14戦して未勝利だが、2着2回、3着2回と好走例はあり、力のある馬なら狙っていい。

 今年出走するキングカメハメハ系で最も有力視されているのが、ロードカナロア産駒のレッドルゼル(牡6歳/栗東・安田隆行厩舎)だ。

 同馬は昨年のGⅢ根岸S(東京/ダート1400m)で重賞初制覇を飾り、昨年のフェブラリーSは4着。その後、GⅠドバイゴールデンシャヒーン(メイダン・ダート1200m)で世界の強豪相手に2着に健闘すると、秋には地方交流GⅠJBCスプリント(金沢/ダート1400m)を3馬身差で圧勝した。

 実績を積み上げ、今回は同レース以来約3カ月ぶりの実戦と十分な調整期間を経た万全を期しての出走となる。昨年に比べて明らかなパワーアップが見込まれ、好走が期待できそうだ。

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