「いつか祝杯を!」堤礼実アナと競馬界のレジェンドとの約束
堤 礼実連載:『華麗なるウマ話』第30回
スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画、堤礼実アナウンサーの連載『華麗なるウマ話』。今回は年明けに発表された『JRA賞』の感想をうかがいつつ、年末年始に快挙を遂げた日本競馬界のレジェンド・武豊騎手について話を聞いた――。
2021年の『JRA賞』が発表となり、年度代表馬にはエフフォーリアが選ばれました。
これは、誰もが文句なしの、納得の受賞ではないでしょうか。昨年の競馬界を振り返ってみると、強い馬が数多くいて、すばらしいレースをたくさん見せてくれましたが、エフフォーリアの年度代表馬選出には「そのとおりです!」と言うしかありません。
そして今年は、そのエフフォーリアを筆頭とした「レベルが高い」と言われる明け4歳世代の活躍が大いに期待されます。エフフォーリアのライバルと言われたシャフリヤールやタイトルホルダーがどれだけ強くなるのか。あるいは、彼らに追いつき、追い越す馬が出てくるのか。とても楽しみです。
一方で、『JRA賞』の各受賞馬を見て、今年はもうその走りを見ることができない、という馬が多いことに気づいて、改めて寂しさを感じています。
最優秀4歳以上牡馬に選ばれたコントレイルをはじめ、最優秀4歳以上牝馬のラヴズオンリーユー、最優秀短距離馬のグランアレグリアらが、昨年限りでターフを去りました。
ラヴズオンリーユーは昨年、日本調教馬として初めてブリーダーズカップ(フィリー&メアターフ)を制覇。引退レースとなる香港カップでも見事な勝利を飾って、海外GI年間3勝という快挙も達成しました。
同馬は、2019年のオークスを勝つなど3歳時から強かった馬ですが、5歳となった昨年が競走馬としてのまさに集大成でした。膨らんだつぼみが一気に満開になった、そんな印象が残っています。
こうした活躍がもう見られなくなってしまうのは残念ですが、ラヴズオンリーユーやグランアレグリア、そして昨年の有馬記念を最後に引退したクロノジェネシスらには、今度は繁殖牝馬としての新たな仕事が待っています。
まずはゆっくり過ごしてほしい、というのが正直な思いですが、親から子へと夢が引き継がれていくのも競馬の魅力。彼女たちの"セカンドライフ"からも目が離せませんね。
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