フェアリーSを豪快に勝ちきったライラック。その強さに陣営も「想像以上だった」と唸った

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第5回:ライラック

 年明けに行なわれた3歳牝馬による重賞、GIIIフェアリーS(1月10日/中山・芝1600m)は5番人気のライラックが快勝。今春の牝馬クラシック出走を確実なものとした。

フェアリーSを快勝したライラックフェアリーSを快勝したライラックこの記事に関連する写真を見る 兄に2019年のGIII札幌2歳Sを勝ったブラックホールがいるライラックは、兄と同じ美浦トレセンの相沢郁厩舎に所属。デビュー戦から早速、高い能力を見せつけた。

 初陣となったのは、10月16日の2歳新馬(東京・芝1800m)。1番人気に推されると、好位3~4番手を追走し、直線残り200mをきった辺りでラクな手応えで抜け出して、そのままゴール板をトップで通過した。上がりも33秒9というタイムでまとめ、強豪牡馬の追撃を抑えての見事な内容だった。

 2戦目も、牡馬相手のGIII京都2歳S(11月27日/阪神・芝2000m)に参戦した。しかし、ここでは関西への長距離輸送が響いたのか、馬体重が10kg減。レースでも見せ場なく、8着に敗れた。

 それでも、改めてその能力の高さを示したのが、3戦目のフェアリーSだった。スタートで出遅れ、中山のマイルでは"絶望的"と言える最後方16番手の位置に置かれたが、外から徐々に進出。4コーナーでも大外を回って、先頭集団を捕らえにいった。

 やや強引な競馬にも見えたが、直線に入ってからも勢いは衰えず、ジリジリと脚を伸ばして内をいくライバルたちを追撃。最後は2着スターズオンアースとの競り合いを制して、重賞勝ちを決めた。牝馬同士であれば"力が違う"とでも言いたげなレースぶりだった。

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