阪神JFをパスした大物。陣営が「必ず走る」と絶賛しているソネットフレーズの今後 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

 その後は、阪神JFに向かわずに休養に入ったソネットフレーズ。陣営のこの決断は、実は同馬の現状を踏まえてのことだという。関東競馬専門紙のトラックマンがその事情を明かす。

「ソネットフレーズはまだ脚元がパンとしない段階であり、『調教も馬なり中心』と厩舎スタッフ。阪神JFをパスしたのも、『ここで無理せずに脚元を固めて、先々でさらに強いレースを見せたい』という陣営の意向がありました。

 ともあれ、『まだ軽い調教しかしていないのに、これだけ走るのはすごい』とスタッフは絶賛しています。もともと乗り味のよさは厩舎でも評判だった馬。デビュー前には重賞3勝馬のウインマリリンと併せても引けをとらない動きを見せ、『この馬は必ず走る』と言われてきたそうです。

 脚元以外に不安は見当たらず、スタッフによれば『気性もおとなしく、ふだんも、レース中も本当にいい子』とか。操縦性も高いうえ、長距離輸送で馬体が減ることもなく、陣営の今後に向けての期待は一段と膨らんでいます」

 その今後についてだが、まずはGI桜花賞(4月10日/阪神・芝1600m)が最大の目標となる。ただし、牝馬クラシック2戦目のGIオークス(5月22日/東京・芝2400m)に向かうかどうかはわからないという。先述のトラックマンが続ける。

「陣営は『(ソネットフレーズの)距離適性はマイルまでのイメージ』と話しており、昨年のGINHKマイルC(東京・芝1600m)を制した同厩のシュネルマイスターに近い雰囲気とのこと。桜花賞のあとは、マイル路線に専念してNHKマイルC(5月8日)に向かう可能性もあるかもしれません」

 始動戦は、2月12日のGIIIクイーンC(東京・芝1600m)を予定。引き続き手綱をとるクリストフ・ルメール騎手を背にして、どんな走りを見せるのか。春の大舞台の行方を占う意味でも、必見である。

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