堤礼実アナが選んだ2021年GIレース「ベスト3」。1位に輝いたのは?
堤 礼実連載:『華麗なるウマ話』第29回
スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画、堤礼実アナウンサーの連載『華麗なるウマ話』。今回は2021年に行なわれたGIレースにおける、堤アナにとっての「ベスト3」を選出してもらった――。
年が明け、競馬界も新たな一年がスタートしました。重賞レースではここまで、1番人気の馬がなかなか勝てない波乱の展開が続いていますが、はたして2022年は、どんな年になるのでしょうか。
昨年を振り返ると、歴史的名馬が次々に引退してしまう、少し寂しい出来事が続きました。でもその一方で、そうした面々が繰り広げる名勝負を数多く見ることができました。
そこで今回は、2021年のGIレースを振り返って、"超私的なベスト3"を選んでみたいと思います。少し考えただけでも、頭のなかにいくつも名勝負が浮かび上がってきて、3つに絞るのは本当に酷な作業でした(苦笑)。
まずは第1位。この連載をずっと読んでいただいている方なら、ある程度予想がついてしまうかもしれませんが、悩んだ末に選んだのは、やっぱりジャパンカップです。
引退レースとなったコントレイルが有終の美を飾った、というのはもちろんのこと、福永祐一騎手との"絆"も感じられ、まさに競走馬としての集大成がそこにあった気がしています。
このレースがすごく印象に残っているのは、私にとって思い入れのあるコントレイルが引退レースを勝った、という点が大きいのは確かですが、1位に選んだ理由はそれだけではありません。
競走馬のなかには、コントレイルのように眩いばかりのスポットライトを浴びるスターホースがいるのとは対照的に、満足な結果を残せないまま引退していく馬がたくさんいます。裏を返せば、人知れず引退していく馬がいるからこそ、コントレイルのようなスターホースも生まれるわけです。
でも、そうした馬たちも競走馬として生まれてきた運命を背負い、たくさんの関係者の愛情を受け、一生懸命走っていることに変わりはありません。運も含めて、ほんのわずかな違いが、大きく明暗を分けてしまう。
そんな儚(はかな)い競走馬の生涯を、改めて考えさせられるきっかけになったレースが、ジャパンカップでした。その分、私の胸に強く刻まれるレースとなりました。
1 / 3