シルクロードSは血統から「短距離適性」を占う。同条件の高松宮記念まで駆け抜けそうな2頭は? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 不安材料としては57.5kgのトップハンデが挙げられるが、このレースは重いハンデ馬の好走例も多い。昨年は57.5kgのライトオンキューが2着、2018年は58kgのセイウンコウセイが2着、2017年は57.5kgのダンスディレクターが1着。2013年は58kgのドリームバレンチノが1着、59kgのダッシャーゴーゴーが2着に入っている。ジャンダルム自身も57kgで2勝しているように、斤量をそれほど苦にするタイプではないため、あまり気にする必要はないだろう。

 もう1頭はエーポス(牝5歳/栗東・北出成人厩舎)を挙げておきたい。同馬は3歳時にGⅡフィリーズレビュー(阪神/芝1400m)を勝利。その後は脚部不安や馬体調整などで休養がちだったが、約7カ月ぶりとなった前走のラピスラズリS(中山/芝1200m)を快勝した。同レースでは馬体重+14kgと大きな成長を見せ、スタートで出遅れながら力強い差し脚を披露。芝1200mは初めてだったが、GIでも通用しそうな破壊力だった。

 父ジャスタウェイはGI天皇賞・秋(東京/芝2000m)、GIドバイデューティフリー(芝1800m)、GI安田記念(東京/芝1600m)を勝った中距離タイプの一流馬。だが、産駒はGIホープフルS(中山/芝2000m)のダノンザキッド、地方交流GⅠJBCレディスクラシック(金沢/ダート1500m)のテオレーマなどさまざまなタイプを出している。

 芝の短距離でも、アウィルアウェイが「京都/芝1200m」で行なわれたこのシルクロードSを勝利し、GIスプリンターズS(中山/芝1200m)でも3着に入っている。初の1200mで鮮やかな勝ちっぷりを見せたエーポスは、シルクロードSもあっさり勝利し、高松宮記念の有力候補となりそうなスケールの大きさを感じさせる。

 以上、今年のシルクロードSは血統的魅力を感じるジャンダルム、エーポスの2頭に期待する。

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