能力だけでGI制覇を遂げたキラーアビリティ。今後の強化で「もっと高いパフォーマンスを見せられる」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2022年クラシック候補たち
第3回:キラーアビリティ

 年の瀬に行なわれる2歳GIのホープフルS(中山・芝2000m)。サートゥルナーリアやコントレイルなど、近年ではここを勝った馬の多くが翌年のクラシックでも結果を残しており、注目度の高い一戦だ。

 そして昨年末、このレース(12月28日)を制したのは、栗東トレセンの斉藤崇史厩舎に所属するキラーアビリティ(牡3歳/父ディープインパクト)だった。

ホープフルSを快勝したキラーアビリティホープフルSを快勝したキラーアビリティこの記事に関連する写真を見る 同馬は昨年6月にデビュー。好メンバーが集った一戦で5着に敗れたが、続く2歳未勝利(8月28日/小倉・芝2000m)では圧勝劇を披露した。スタート直後はややかかり気味になるも、道中は先行集団の後方7番手を追走。直線で大外に持ち出すと、瞬く間に先行馬群を抜き去って後続に7馬身もの大差をつけてゴール板を駆け抜けた。

 続いて、リステッド競走の萩S(10月30日/阪神・芝1800m)に出走。6頭立ての4番手に位置し、3コーナー過ぎから早めに進出していった。直線を迎えて、のちにGⅠ朝日杯フューチュリティSで3着となるダノンスコーピオンとマッチレースを展開。終始リードを奪っていたが、ゴール寸前でかわされてクビ差の2着に敗れた。

 その後に挑んだのが、ホープフルSだった。横山武史騎手を背にして、道中はインの3番手をキープ。直線入口ではスムーズに外へ持ち出して、理想的な競馬を見せた。そのまま前を行く馬と捉えて先頭に立つと、ライバルたちに一切並ばれることなくゴール。危なげない勝利でGIタイトルを手にした。

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