2021.12.18

無敗の人気馬たちも絶対ではない。朝日杯FSで穴党記者が推す激走候補2頭

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今年の中央競馬の開催も、残すところあと2週間。今週は2歳GIの朝日杯フューチュリティS(12月19日/阪神・芝1600m)が行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は4勝、2着2回、3着2回と、軸馬としての信頼度は高い。ただ一方で、3連単の配当を見てみると、万馬券にならなかったのが、わずか1回。その他は、2016年の22万1200円を筆頭に、すべて3万円以上の好配当をつけている。2019年には1番人気、2番人気がワンツーフィニッシュを決めながら、9万円超えの高配当となった。

 そんな朝日杯FSについて、日刊スポーツの太田尚樹記者はこんな傾向があるという。

「このレースは大きく分けると、2017年のダノンプレミアムや2019年のサリオスのように絶対的な主役が勝つ年と、混戦模様で馬連でも5000円以上の高配当がつく波乱になる年と、2つのパターンがあります」

 そして、太田記者は「今年は後者の年だと見ています」と続ける。

 ということは、ここまで無傷の3連勝で重賞2勝を挙げている人気馬セリフォス(牡2歳)についても、絶対視はできない、ということなのだろうか。

「セリフォスは確かに強いですが、時計面や勝ちっぷりからすると、抜きん出た存在とまでは言えません。となれば、伏兵の出番も十分に考えられるでしょう。

 また、今年は京都競馬場の改修工事によって、阪神競馬場の連続開催は11週目を迎え、芝は土埃が舞うほど、タフな馬場になっています。その辺りも波乱の要素となりそうです」

 となれば、今年も例年どおり、馬券的には好配当が見込めそうだが、太田記者が波乱の立役者として期待するのは、どの馬だろうか。

オタルエバー(牡2歳)が気になります。レースごとにかかり気味になって、前走の1勝クラス・秋明菊賞(1着。11月21日/阪神・芝1400m)でも力んだまま走っていました。こうした内容だけ見ると、マイルのGIでは手を出しづらいのですが、この中間は陣営の工夫が実って"別馬"のようになっています。

 なんと障害練習を採用し、制御の利きやすいリングハミに替え、さらに馬の気を紛らせる効果のあるマウスネット(口の周りにつける網状の馬具)を着用したところ、一気に操縦性が高まったようです。調教で跨った主戦の幸英明騎手も、『こんなに短期間で折り合いがつくようになるんだな......』と驚いていました」