堤礼実アナが選んだこの夏のマイベストレース「私には想像もできない偉業」

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

堤 礼実連載:『華麗なるウマ話』第22回

スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画、堤礼実アナウンサーの連載『華麗なるウマ話』。今回は、夏競馬で最も印象に残っているレース、これから始まる秋競馬の注目レースなどについて語ってもらった――。

 荒れるイメージが強い夏競馬ですが、今年も波乱のレースが多かったですね。私はそんな夏競馬が結構好きなので、終わってしまう寂しさを感じています。

 でも、穴馬を探すのが夏の楽しみだとしたら、実力馬たちの真の力を味わうのが秋の楽しみ。見方はちょっと変わりますが、これからの競馬もやはり楽しみです。

 今年の夏競馬でマイベストレースを挙げるなら、レパードSです。

 1番人気のメイショウムラクモが勝ったレースですが、それよりも、柴田善臣騎手の最年長重賞勝利記録(55歳10日)が更新されたレース、と言ったほうがわかりやすいでしょうか。一番印象に残っていますし、ただただ「すごいなぁ」と感心しながら、スタジオでモニターを見ていました。

 現役最年長の柴田善騎手は、今年で騎手生活37年目。つまり、私が生まれる前から第一線で活躍されているということです。社会人6年目の未熟者には、想像もつきません。ジョッキーという仕事と真剣に向き合い続けてきたからこそ、成し遂げられた記録だと実感します。

 しかも、勝利ジョッキーインタビューがまた素敵でした。

「100%関係者の力。私は乗っているだけですから」

 この言葉を聞くだけで、柴田善騎手の謙虚さが生み出した記録なのだろうと想像ができます。インタビューに人柄が表れているというか、この偉業を成し遂げられた理由が、あの言葉に表れていたような気がしました。

 記録はどこまで伸びていくのだろうと期待しながら、これからも柴田善騎手のことを応援します。

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