三冠馬の弟サンセットクラウドは「兄より雄大なフットワークを見せる」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2021年版)
第11回:サンセットクラウド

 昨年、史上8頭目となる牡馬クラシック三冠馬が誕生した。コントレイル(牡4歳/父ディープインパクト)である。

 コントレイルはデビュー戦を快勝すると、続くGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)では2着に5馬身差をつける圧勝劇を披露。一躍この世代随一の注目株となった。

 そして、続く3戦目のGIホープフルS(中山・芝2000m)も完勝。3連勝で2歳王者に輝くと、3歳クラシックの最有力候補として不動の存在となった。

 実際、3歳クラシックではコントレイルが評判どおりの強さを見せつけて、同馬の独壇場となる。ホープフルSからのぶっつけで挑んだGI皐月賞(中山・芝2000m)では、3コーナー過ぎから大外を一気にまくっていって、内から伸びたライバルのサリオスを退けて一冠目を手にした。

 続くGI日本ダービー(東京・芝2400m)では、まさに横綱相撲という競馬を見せつけた。先行策から直線では持ったままで抜け出して、2着サリオスに3馬身差をつけて優勝。難なく二冠を遂げた。

 三冠最終戦となるGI菊花賞(京都・芝3000m)は、アリストテレスと壮絶な叩き合いを演じた。それまでの2戦とは違って厳しい戦いとなったが、最後は無類の勝負強さを発揮。クビ差先着して、シンボリルドルフ、父ディープインパクトに続く、史上3頭目となる無敗の三冠馬に輝いた。

 その後、GIジャパンC(東京・芝2400m)では芝GI9勝を達成したアーモンドアイに屈して2着。古馬となった初戦、GI大阪杯(阪神・2000m)でも3着と敗れているが、秋以降の大舞台で、改めてその活躍が期待されている。

 そのコントレイルの弟が今年の2歳馬の中にいる。栗東トレセンの矢作芳人厩舎に所属するサンセットクラウド(牡2歳/父ディープインパクト)だ。

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