難解極める函館記念はコース適性を重視。アッと驚く穴馬の台頭も考慮すべし

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 京都競馬場の改修工事や東京オリンピックの開催に伴って、変則日程となっている今年の夏競馬。次週からは、新潟と函館での2場開催に移行します。

 そんな日程の移り目を前にして、今週の函館競馬場ではGIII函館2歳S(7月17日/函館・芝1200m)、GIII函館記念(7月18日/函館・芝2000m)と、土日の両日に重賞が行なわれます。

 ここで取り上げるのは、函館記念。例年のことと言えるかもしれませんが、今年も難解な一戦と言えますね。

 GIフェブラリーS(2月21日/東京・ダート1600m)を制してダート界の頂点に立ったカフェファラオ(牡4歳)をはじめ、出走馬の臨戦過程はさまざま。休み明けの馬も結構いて、予想の難しさは一段と増しています。直近の出来のよさ、潜在的なレース適性を、どう分析するかが重要なポイントになりそうです。

 そうした状況にあって、まず注目したいのは、マイネルファンロン(牡6歳)です。

 一昨年のレースで2着となって以降は精彩を欠いて長い間低迷していましたが、前走のオープン特別・巴賞(7月4日/函館・芝1800m)で2着と好走。復調のきっかけをつかんだように見えます。これらの結果からもわかるように、函館での適性が高いのもプラスと言えます。

 陣営の意向もあってか、レースでは先行する形が多い馬ですが、個人的にはもう少しタメる競馬をしたほうがいいと思っています。折り合いが難しい馬と聞いていますから、なかなかそれが叶わないのかもしませんが、函館記念はレース全体が積極的な流れになりやすく、マイネルファンロンにとってはタメを利かせやすい展開になる可能性があります。もしそうなれば、勝ち負けに加わるチャンスがますます広がります。

 鞍上は秋山稔樹騎手。デビュー2年目ながら、今年の北海道シリーズではここまで6勝を挙げて、いい流れできています。

 夏競馬は若手騎手がチャンスをつかみやすく、重賞での騎乗が通算3度目となる彼もこの好機を「何としてもモノにしたい」と思っていることでしょう。冷静な騎乗で馬の長所を引き出して、好結果につなげてくれることを期待したいです。

 マイネルファンロンに先着し、巴賞を制したサトノエルドール(牡5歳)も注視すべき1頭でしょう。昨秋は、もはや頭打ちか? といった成績が続いていましたが、今年に入って3勝クラスの美浦S(4月4日/中山・芝2000m)を快勝。ブリンカーをつけたことで一変しました。

 前走の巴賞で函館コースにも対応。もともと長くいい脚を使うタイプで、中距離のレースで善戦を重ねてきた馬ゆえ、1ハロンの距離延長もマイナスにはならないでしょう。

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