2021.06.26

宝塚記念は2強の一騎打ちが濃厚も、素質開花の新勢力に一角崩しの期待

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 上半期の締めくくりとなるGI宝塚記念(阪神・芝2200m)が6月27日に行なわれます。

 一般的には年末のGI有馬記念(中山・芝2500m)と肩を並べる、春の「グランプリ」「ドリームレース」といった捉え方をされていますが、有馬記念と比べると、例年そのメンバーレベルはやや落ちます。クラシックを終えたばかりの3歳馬の参戦がなかなか叶わなかったり、一線級を預かる陣営が梅雨時期の調整の難しさや未知数の馬場を嫌ったりするからでしょう。

 今年も、当初はデアリングタクトやコントレイルの参戦が予定され、豪華メンバーになるかと思われていたのですが、最終的には各々の事情によって、ともに回避することに。加えて、GI天皇賞・春(5月2日/阪神・芝3200m)2着のディープボンドや、今春はドバイ、香港と海外GIで奮闘してきたラヴズオンリーユーが、それぞれこの秋に海外遠征を予定(前者はフランスへ。後者はアメリカへ)。そこに向けて早々に備えてしまったことで、メンバーが手薄になってしまいました。

 そのため、一時は出走予定馬が「ひと桁になるのではないか」と言われたほどです。

 そもそも、昨年末の有馬記念で上位5頭に入った馬のうち、2~4着馬はすでにターフを去っています。その後、古馬中距離路線で台頭してきた馬も少なく、この路線は現在、過渡期にあると言えるかもしれませんね。

 そんな路線にあって、中心であり続けているのが、クロノジェネシス(牝5歳)です。

 やや重だった昨年の宝塚記念では、6馬身差の圧勝劇を披露。その勝ちっぷりは衝撃的でした。その後も、GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)で3着と好走。有馬記念では見事にグランプリレースの春秋連覇を飾りました。

 一線級相手にも常に勝ち負けを演じて、馬場を問わないパフォーマンスの高さは他の追随を許しません。デビュー時から馬体重が30kg以上も増えているように、馬自身もそれだけの成長を遂げているのでしょう。

 そして前走では、初の海外遠征に挑んでGIドバイシーマクラシック(3月27日/UAE・芝2410m)に参戦。2着に敗れたものの、他馬にぶつけられる不利によって大きなロスを被ったことを思えば、改めてその強さを示したと言っていいでしょう。レースを重ねるごとに、対応できる条件の幅がますます広がっているような気がします。

 今回はこれまで手綱をとってきた北村友一騎手が負傷のため、乗り替わりとなりますが、レースぶりを見る限り、操縦しやすい馬だと思いますし、新たなパートナーがクリストフ・ルメール騎手なら、何ら心配はいらないでしょう。地力上位は明らかで、ここでも中心的な存在であることは間違いありません。