2021.04.10

桜花賞は阪神マイルの実績重視。2強の他「遅れてきた大物」への期待大

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年もいよいよクラシックの季節がやってきました。

 クラシックはサラブレッドにとって、一生に一度の舞台。それも、2歳の6月からわずか10カ月ほどの間に、出走が叶うだけの成績を挙げて賞金を稼がなければ、その舞台に立つことはできないのです。少しでも予定が狂ってしまえば、そのチャンスは得られないので、決して容易なことではありません。

 また、生産者、育成牧場、調教師、調教助手、担当厩務員など、1頭のサラブレッドに携わる数多くの関係者が"バトン"を受け継いでの一戦であり、またとない特別な意味を持つ舞台と言えます。私も過去のクラシックを制した立場として、出走に漕ぎつけた陣営の努力と苦労については、並々ならぬもの感じざるを得ません。

 昨年はコロナ禍にあって、桜花賞も、皐月賞も......春のクラシックは無観客で行なわれる異例の事態となりました。残念ながら1年の時を経ても、その環境が大きく改善されたとは言えませんが、その間、競馬は一度も滞ることなく開催されてきました。そして今年も、クラシックの幕開けとなるGI桜花賞(4月11日/阪神・芝1600m)の開催を無事に迎えられることができて、非常にうれしく思っています。

 その桜花賞は"今年も"と言うか、再び混戦模様ですね。ここ3年はデアリングタクト、グランアレグリア、アーモンドアイといった、桜花賞以降も大いにその名を馳せた馬ばかりが勝っていますから、今となっては難解だったことも忘れられていますが、3頭はいずれも本番前のトライアルレース以外からの臨戦過程でした。おかげで、トライアル組との力関係を比較するのが難しく、戦前は「混戦」と言われ、予想そのものはかなり難解でした。

 とにかく、近年はこうした"ぶっつけ本番"のローテーションが一般化され、戦前の力量比較においては、それが"足かせ"となっています。そして今年も、ソダシ(牝3歳)、サトノレイナス(牝3歳)、ファインルージュ(牝3歳)、ソングライン(牝3歳)ら賞金上位の有力馬たちが、2カ月半以上間隔が空いた臨戦過程で桜花賞に臨んできました。

 他にも、GIIIクイーンC(2月13日/東京・芝1600m)やGIIIフラワーC(3月20日/中山・芝1800m)など、さまざまな前哨戦、ステップレースから数多くの馬が参戦。それらが桜花賞で一堂に会することになり、そうした点がここ最近の桜花賞というレースの難易度を高める要因となっています。