「無敗」が脚光を浴びた2020年。「無勝」のハルウララに会いたくなった (3ページ目)

  • 新山藍朗●取材・文 text&photo by Niiyama Airo

元気に過ごしているハルウララ元気に過ごしているハルウララ ハルウララは、この牧場ではウララの「ウ」を取って「ウーちゃん」と呼ばれている。のんびりした感じのネーミングだが、ハルウララ自身にはあまりのんびりしたようなところはない。

 もともとハルウララという名前自体、性格的にきつくて、なかなか人間の言うことを聞かないため、少しでも穏やかな気性になるように、とつけられたものだという。

 その性格的なきつさは相変わらずで、第一に臆病、そのくせわがまま。気にくわないことがあると、テコでも動かないそうだ。そういう時には、ニックネームの「ウーちゃん」が「ウっさん!」になる。人間なら、ひと筋縄ではいかない"頑固ばあさん"といったところか。

 この性格も、ハルウララが連敗街道を突っ走ったひとつの原因と言われるが、それ以上に厄介なのは、集中力が続かず、飽きっぽいこと。

 自分がするべき運動があるとすると、一応、それをやらなければいけないというのは理解しているし、最初の内は素直にやる。でも、20分もすると、飽きてきて、自分で勝手に「今日はここまで」という感じになってさっさとやめてしまう。

 実はハルウララには、113敗の中で2着が5回あって、そのうちタイム差なしというのが1回だけある。宮原さんは、その敗因について「きっと、最後に(レースに)飽きちゃったんですよ。ゴールは目の前なのに『もういいや。今日はここまで』という感じで」と言って、笑った。

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