2020.10.22

コントレイルとの激走に期待。
菊花賞はステイヤー血統馬2頭にも注目

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 エピファネイア産駒の距離別成績を見ると、距離が長くなるにつれて成績がよくなっている。2000m以下の845戦75勝、2着79回(勝率8.9%、連対率18.2%)に対し、2100m以上は61戦とレース数こそ少ないが、13勝、2着7回(勝率21.3%、連対率32.8%)と勝率は倍以上になる。

 2500m以上に絞ると16戦5勝、2着1回(勝率は31.3%、連対率37.5%)とさらに数字は跳ね上がる。3000m以上の出走は今回が初めてだが、"長距離に強い種牡馬"と考えていいだろう。過去には1996年の菊花賞馬ダンスインザダークも、種牡馬としてザッツザプレンティ、デルタブルース、スリーロールスと3頭の菊花賞馬を送り出した。エピファネイアも同じような存在になっていきそうだ。

 さらに、伯父リンカーンは2003年の菊花賞で2着に入った馬で、近親には日本ダービー馬フサイチコンコルド、皐月賞馬アンライバルド、ヴィクトリーがいる一流の牝系でもある。母の父ディープインパクトも三冠馬=菊花賞馬なので、父も母の父も菊花賞馬になる。このレースに相応しい血統馬と言えるだろう。

 もう1頭、血統的な注目馬としてヴァルコス(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)を挙げておきたい。父ノヴェリストは英GⅠキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝12F)を5馬身差で圧勝するなど、芝2400m前後のGⅠを4勝したステイヤー。母の父はダンスインザダークで、母の兄にディープインパクトがいるという、この馬も菊花賞に縁のある血統だ。

 春はゆきやなぎ賞(1勝クラス、阪神/芝2400m)を勝ち、GⅡ青葉賞(東京/芝2400m)でクビ差の2着。日本ダービーは14着、秋初戦のGⅡセントライト記念(中山/芝2200m)は5着でここに臨むが、長距離戦での実績は十分で、3000mでさらにいい走りを見せる可能性は十分にある。

 以上、今年の菊花賞はコントレイルの三冠濃厚と見つつ、アリストテレス、ヴァルコスの激走にも期待したい。