前行く2頭か、決め手ある2頭か。穴党記者の意見が割れた毎日王冠 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、サンレイポケット(牡5歳)、カデナ(牡6歳)といった関西馬2頭に注目している。

「サンレイポケットは、重賞初挑戦となった前走のGIII新潟記念(9月6日/新潟・芝2000m)で3着と、地力強化が図れていることを印象づけました。東京コースとは相性のいいジャングルポケット産駒で、現に2走前には東京が舞台の3勝クラス・ジューンS(6月13日/東京・芝2400m)を勝っています。

 中間の攻め気配も上々。体つきにメリハリが出て、筋肉量も増えている感があって、状態面については不安がありません。

 2000m以上のレースを使われてきて、1800m戦は2度目になりますが、ゆったりと流れそうな少頭数戦なら、それほど追走に苦労することもないでしょう。このメンバーに入っても、決め手比べなら見劣りしませんし、5歳の秋を迎えた今が充実期。別定戦の重賞でも、流れひとつで好勝負に持ち込める潜在能力は秘めていると思います」

 もう1頭のカデナは、5歳となった昨年辺りから復調の兆しを見せ、6歳になった今春、GIII小倉大賞典(2月23日/小倉・芝1800m)で3年ぶりの重賞制覇を果たした。

「前走の新潟記念では6着に終わりましたが、トップハンデの58kgに加え、展開が向かなかったことが響きました。それでも、勝ち馬とはコンマ3秒差。巻き返しが期待されます。それに今回は、1800m戦。久々の重賞勝ちを収めた小倉大賞典と同じ距離に戻るのは歓迎材料です。さらに、さばきやすい少頭数で行なわれることも、プラスに働くでしょう。

 今春のGI大阪杯(4着。4月5日/阪神・芝2000m)の内容からして、この相手関係でも能力的には見劣りません。前走後も在厩調整で好調を維持しており、中間の攻め馬の動きも申し分ありませんでした。今回は別定戦で、斤量は前走比マイナス2kg。道中でロスなく運んで、余力十分で直線を迎えれば、上位争いを演じられるはずです」

 次週から本格化する秋のGIシリーズを存分に楽しむためにも、ここで軍資金を増やしたいところ。そのサポートをしてくる馬が、ここに挙げた4頭の中にいるかもしれない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る