2020.10.02

武豊が9度目の凱旋門賞へ。
勝利への執念を見せる挑戦の軌跡

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

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 現地時間10月4日、フランス・パリ郊外にあるパリロンシャン競馬場で行なわれる凱旋門賞(パリロンシャン/芝2400m)に、アイルランドのGI2勝馬ジャパン(牡4歳)とのコンビで武豊騎手が参戦する。自身9度目となる凱旋門賞への挑戦だ。

今年で凱旋門賞の騎乗が9回目になる武豊 武騎手は、かねてから凱旋門賞への強い思いを公言してきた。それが、今回で9回目という、ヨーロッパの騎手でも簡単に成し得ない騎乗回数につながっている。

 凱旋門賞への初参戦は、デビュー8年目のシーズンである1994年のこと。この約1カ月前に、武騎手はスキーパラダイスとのコンビでムーラン・ド・ロンシャン賞を制し、日本人騎手として初となる「国外G1勝利」を成し遂げたばかりだった。

 この年の凱旋門賞で騎乗したホワイトマズルは、社台ファームの代表である吉田照哉氏の所有馬という縁もあったが、2走前のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSでも武騎手の騎乗で2着。前年の凱旋門賞でも2着だったことから、レース当日は有力馬の1頭と目されていた。

 しかし、結果は20頭立ての6着。後方待機から外を回って追い込んでくるレース内容に、当地のメディアでは落胆、批判する声が上がったという。

 2回目の挑戦は、それから7年後の2001年。武騎手は長期遠征してフランスを拠点に活躍し、それが認められ、フランスのトップ調教師であるアンドレ・ファーブル調教師からサガシティを託された。同馬は2歳時にGⅠを制しながら、3歳になったこの年は5戦して勝利がなく凱旋門賞を迎えた。それでも武騎手は、道中はインで脚を溜め、最後の伸びで3着に食い込む好騎乗を披露。2度目の挑戦で、早くも勝利が見える位置に来たのだ。