新潟2歳Sは将来性より完成度を重視。
穴党記者が見抜いた3頭の穴馬

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

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 2歳世代のマイル重賞、GIII新潟2歳S(新潟・芝1600m)が8月30日に行なわれる。

 過去10年で1番人気は4勝、2着2回、着外4回。それなりの成績を残しているものの、8番人気以下の伏兵馬が頻繁に馬券圏内(3着以内)に突っ込んできており、波乱含みのレースである。中日スポーツの大野英樹記者もこう語る。

「過去2年は1番人気が勝利し、2着にも2、3番人気が入って、わりと平穏な決着で収まっていますが、2016年には1番人気のモーヴサファイアが8着、2017年にも1番人気のムスコローソが12着と惨敗。この時期の2歳馬の評価はあてにならないこともあって、穴党も楽しめるレースと言えます」

 実際、2010年には3連単の配当が80万円超えを記録。他の年にも、オイシイ配当がしばしば生まれている。

 では、そうしたレースにあって、どんな馬が狙い目となるのか。日刊スポーツの太田尚樹記者はこんな見解を示す。

「近年の結果を見てみると、2013年の勝ち馬ハープスターと、2着イスラボニータは別として、ここで上位になった馬たちはその後、あまり活躍できていません。過去10年の勝ち馬を例にとっても、のちに重賞を勝ったのは3頭だけ(2010年のマイネイサベル、2013年のハープスター、2015年のロードクエスト)。つまり、将来性を含めた潜在能力よりも、現時点での完成度を重視すべきではないかと思います」

 そこで、太田記者が穴馬候補に挙げるのは、ロードマックス(牡2歳)だ。

「名門・藤原英昭厩舎のディープインパクト産駒ですが、そのわりに下馬評はさほど高くありません。それに、この厩舎は2歳馬を無理使いせず、十分に休養させながら成長を促していく基本方針がありますが、そんななかで、夏の2歳重賞に挑戦してきた、というのが注目に値します。

 最近5年を見ても、藤原厩舎の管理馬が2歳重賞に出走したのは、延べ8頭だけ。そのうち、4頭が馬券に絡んでいますから、狙わない手はないでしょう。

 藤原調教師も、ロードマックスについて『今の時期に使えるのがいい』と好評価。重賞でも十分に戦える完成度と判断しての出走だと見ています」

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