連勝でオークスに挑むデゼル。新星は早世した母に勝利を届けられるか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 父ディープインパクトの産駒は、2012年ジェンティルドンナ、2015年ミッキークイーン、2016年シンハライト、2019年ラヴズオンリーユーと、オークスを4勝。さらに2着馬が4頭、3着馬が3頭と得意にしているレースだ。母アヴニールセルタンは、2013年のGⅠ仏1000ギニー(芝1600m)、GⅠ仏オークス(芝2100m)を勝った名牝。数々の名牝が揃う社台ファームでも、トップクラスの良血馬と言えるだろう。

 社台ファームで母が仏オークス馬といえば、2017年の勝ち馬ソウルスターリング(父フランケル、母スタセリタ)がいる。社台ファームは、今年の3歳世代ではGⅢ毎日杯(阪神/芝1800m)を勝った牡馬のサトノインプレッサも、母サプレザが英GⅠサンチャリオットS(芝1600m)を勝った良血馬だ。

 GⅠ天皇賞・春(京都/芝3200m)で2着に激走したスティッフェリオも、母シリアスアティテュードが英GⅠチェヴァリーパークS(芝1200m)勝ち馬という血統。最近、欧州のGⅠ牝馬を母に持つ活躍馬が目立っている。

 アヴニールセルタンは昨年4月3日に8歳の若さでこの世を去った。産駒はデゼルと、1歳下の全妹オヌールの2頭しか出せなかった。その血を繋ぐためにも、デゼルにはいい走りを期待したい。

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