2歳王者コントレイルは「最高傑作」。
矢作調教師「想像を超えていた」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

2020年クラシック候補たち
第1回:コントレイル

 今春の3歳クラシックにおいて、牡馬戦線では早くも「大本命」と言われる存在が現れている。ここまで3戦3勝、昨年末のGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)を制したコントレイル(牡3歳/父ディープインパクト)である。

GIホープフルSでもズバ抜けた強さを見せたコントレイルGIホープフルSでもズバ抜けた強さを見せたコントレイル 栗東トレセンの矢作芳人厩舎に所属する同馬は、昨秋の2歳新馬(9月15日/阪神・芝1800m)でデビュー。大外枠から好スタートを切ると、好位につけて追走し、直線を迎えると早々に先頭を捕らえた。そのまま、鞭を入れずに抜け出して、2着以下に2馬身半差をつける楽勝で初陣を飾った。

 その若駒が真の強さを見せたのは、2戦目のGIII東京スポーツ杯2歳S(11月16日/東京・芝1800m)だった。アルジャンナ、ラインベックといった素質馬が集うなか、再び1番人気に支持された同馬は、淀みなく流れるレースにおいて、中団をゆったりと追走。直線に入ると、一気に仕掛けていった。

 圧巻だったのは、そのあとだ。外からすぐに先頭へ躍り出ると、鞍上のライアン・ムーア騎手の剛腕に応えて、後続をぐんぐん突き放していった。最後は、2着アルジャンナに5馬身差をつける圧勝劇。レースを見守るファンに、強烈なインパクトを与えた。

 しかも、2歳レコードとなる1分44秒5という勝ち時計をマーク。関係者の度肝を抜いて、翌春のクラシックの最有力候補に浮上した。

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