朝日杯FSは「3強」ムード濃厚。
それでも無印の超大穴が期待できるぞ
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
2歳女王を決するGI阪神ジュベナイルフィリーズは、「3強」と言われた面々とは少し差のある4番人気だったレシステンシアが、後続に5馬身差をつける逃げ切り勝ちを収めました。
数字的には確かにハイペースで、もし負けていたら「暴走」と言われていたかもしれません。しかし、内目の、速い時計が出る綺麗な馬場をうまく生かしての完勝。何より、強気に運んでレースの主導権を握ったことで、他の馬に仕掛ける機会を与えなかったことがよかったですね。馬の力と、今年GI3勝目を挙げた北村友一騎手の思い切りの良さがかみ合った、見事な勝利だったと思います。
ただ、レコードを更新することになったこの勝利は、レシステンシアにとって、100%以上の力を出し切っての結果かもしれません。ペースは違いますが、その結果を見て脳裏に浮かんだのは、レッツゴードンキが圧勝した時の桜花賞(2015年)です。
牝馬限定の同世代のレースでは、主導権を奪った馬がスイスイと走り切ってしまい、本当の実力以上の差をつけて、圧勝してしまうことが時にあります。桜花賞で4馬身差をつけて勝利したレッツゴードンキはまさにそのいい例で、その後は長い間勝利を挙げることができませんでした。
同様に、レシステンシアについても、他馬を圧倒した今回の阪神JFの結果だけでは、「(この世代で)力が抜けている」とは、決めつけられないな、と個人的には思っています。
さて、阪神JFに続いて、今週は牡馬の2歳チャンピオンを決めるGI朝日杯フューチュリティS(12月15日/阪神・芝1600m)が行なわれます。
戦前の予想では、阪神JFと同じく「3強」といった雰囲気があるようですが、リアアメリアが断然の人気だった阪神JFとは違って、朝日杯FSでは、サリオス(牡2歳)、タイセイビジョン(牡2歳)、レッドベルジュール(牡2歳)の3頭が、人気面でもそれほど差のない「3強」を形成するのではないでしょうか。
サリオスはGIIIサウジアラビアロイヤルC(10月5日/東京・芝1600m)、タイセイビジョンはGII京王杯2歳S(11月2日/東京・芝1400m)、レッドベルジュールはGIIデイリー杯2歳S(11月9日/京都・芝1600m)と、3頭とも朝日杯FSの前哨戦とも言える重賞で強い勝ち方をしてきました。能力的には、他の13頭とは一枚も二枚も抜けている印象があり、おそらくこの3頭の中から勝ち馬が出ると思います。
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