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朝日杯FSは「3強」ムード濃厚。
それでも無印の超大穴が期待できるぞ (3ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 現状、「3強」の中ではサリオスが最右翼と見ていますが、3頭ともGIを勝つにふさわしい力を秘めていることは確かです。直前の気配、馬場傾向の変化なども鑑みて、最終的な結論を出したいと思っています。

 さて、馬券的な妙味を考えれば、「3強」の一角崩しを狙える馬を探すことが大事になります。しかし、今回の「ヒモ穴馬」には、そうした評価にも挙がってこないような、おそらく世間的にはノーマークであろう馬を取り上げたいと思います。

 「大穴」プリンスリターンが朝日杯FSで高配当を演出するか 「大穴」プリンスリターンが朝日杯FSで高配当を演出するか プリンスリターン(牡2歳)です。

 オープン特別のききょうS(9月21日/阪神・芝1400m)を勝っている立派な2勝馬で、函館2歳Sでは、ビアンフェ、タイセイビジョンに次ぐ3着でした。能力的には、決して大きな差はないと思っています。

 それでも、世間的な評価が低いのは、マイル戦が未経験、休み明けなど、いろいろと理由は挙げられます。そのなかでも、最も大きな理由は、おそらくGI初挑戦の原田和真騎手が鞍上を務めるからではないでしょうか。

 確かに、騎乗技術や実績に関しては、世界レベルの名手たちには遠く及びませんが、函館のデビュー戦から一貫して、プリンスリターンの手綱をとってきたのは、原田騎手です。この中間も付きっ切りで調教に乗っています。

 ゆえに今回は、ずっとコンビを組み続けてきた人馬の経験値と信頼関係によって、世界の名手らとの差も少しは埋まるのではないかと期待しています。

 プリンスリターンは、1200mや1400m戦で楽に先行できる馬なので、出遅れがなければ、今回もいいポジションを取れるはず。つまり、阪神JFと同じように、先に抜け出した馬が止まらない流れになれば、展開的にも向くと踏んでいます。有力馬が馬群の外で伸びあぐねている間に、最後まで粘り切ってしまう可能性は十分にあると思います。

 キャリア8年目の原田騎手。今年は平地で3勝、通算戦績は障害レースを合わせても、通算50勝にも届かない騎手ですから、初のGIで勝利を望むのは無謀でしょう。

 ともあれ、彼にとっては、ここでの経験が今後の競馬人生において、大きな財産になることは間違いありません。デビューからコンビを組み続けてきた馬でGIに挑戦できることの幸せを噛みしめて、ぜひとも全力を尽くしてほしいと思います。

 それができれば、馬場や展開の後押しは必ずあると踏んでいるので、1つでも上、あわよくば連絡みのシーンまで、私は期待しています。

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