チャンピオンズCは「中京ダート最強配合」の
遅咲き馬が重賞連覇か (2ページ目)
さらに、前述の「100走以上している種牡馬の中京ダート成績」では、カジノドライヴに次ぐ2位の12.0%(117戦14勝)の勝率を誇っている。ヴェンジェンスはいわば、カジノドライヴ×スペシャルウィークという"中京ダート最強配合"の馬なのだ。ヴェンジェンス自身は中京競馬場のダート1400mで2戦し、2歳時の寒椿賞でクビ差の2着。そして今年7月のGⅢプロキオンSでは、勝ったアルクトスから0秒4差の3着と崩れていないだけに、大いに期待できそうだ。
もう1頭挙げるとしたらタイムフライヤー(牡4歳/栗東・松田国英厩舎)だ。父ハーツクライの産駒は、GⅠジャパンC(東京/芝2400m)を勝ったスワーヴリチャード、GⅠ宝塚記念(阪神/芝2200m)と豪GⅠコックスプレート(芝2040m)を勝ったリスグラシューなど、今年も芝のGⅠ戦線をにぎわせているが、改修後の中京ダートでも30勝と全体で7位の勝利数を記録している。今年はGⅢシリウスS(阪神/ダート2000m)をロードゴラッソが制し、初のJRAダート重賞勝ち馬が誕生。ダートでも好成績を残している。
また、母の全兄タイムパラドックスが、このレースの前身である2004年ジャパンCダートの勝ち馬であり、牝系もこのレースに縁がある。タイムフライヤーは2歳時にGIホープフルS(中山/芝2000m)を勝った馬だが、この夏にダートに転向してから3戦目となった前走のGⅢ武蔵野S(東京/ダート1600m)で2着と初めて連対した。今回の鞍上は、スワーヴリチャードでジャパンCを勝利したオイシン・マーフィー騎手。2週連続の「ハーツクライ産駒&マーフィー」の激走に期待したい。
以上、今年のチャンピオンズCは、ヴェンジェンスとタイムフライヤーの2頭に注目する。
■平出貴昭 著
『覚えておきたい世界の牝系100』(主婦の友社)
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