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エリザベス女王杯は3歳GI馬が優勢も
本格化した4歳馬に逆転を期す (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 ラヴズオンリーユーとクロノジェネシスの2頭については、甲乙つけ難いところです。それでも、接戦になった時に勝ち切るパワーを感じるのは、ラヴズオンリーユーのほうです。

 何と言っても、無傷の4連勝でGIオークス(5月19日/東京・芝2400m)を制したポテンシャルの高さは魅力です。今回は、そのオークスからの"ぶっつけ"というのが気になりますが、無理にGI秋華賞(10月13日/京都・芝2000m)に間に合わせようとせず、態勢が整うまで待った、という点がレースではいい方向に出るのではないでしょうか。

 2400mのオークスを快勝して距離に関しても問題なく、京都コースも2戦2勝と不安はありません。鞍上を務めるミルコ・デムーロ騎手が、この秋のGIで振るわない点は気になりますが、先週の地方交流GI JBCクラシックでは惜しくもハナ差負け。その悔しさをバネに、この秋最大のチャンスとも言えるこのレースへの思いは強いでしょうから、勝ち負けは必至だと思います。

 片や、クロノジェネシスは、前走の秋華賞を完勝。GIにおけるこれまでの惜敗続きが嘘のような、強い勝ちっぷりでの初戴冠でした。もともと立ち回りはうまいタイプですが、秋華賞では鞍上の北村友一騎手がうまく乗っていました。とはいえ、あれだけ軽々と突き抜けていくとは、驚きでしたね。

 当日の馬体重はプラス20㎏でしたが、太く見えませんでしたから、夏を越して一段とパワーアップした、ということなのでしょう。ひと叩きしてのエリザベス女王杯、展開や立ち回り次第では、ラヴズオンリーユーに先着する可能性も十分にあると思います。

 いずれにしても、地力勝負となれば、この3歳世代のGI馬2頭が優勢と見ています。

 こうして、3歳世代が上と見るなら、もう1頭の3歳馬シャドウディーヴァ(牝3歳)も無視できません。GI馬2頭と比べれば、ここでの実績は見劣りしますが、ここに出てくる古馬牝馬相手なら、意外といい勝負ができるかもしれませんよ。

 一方、古馬牝馬では、当初エリザベス女王杯2年連続2着のクロコスミアには期待が持てると思っていました。しかし、ここ3戦でコンビを組んで、呼吸の合った騎乗を見せていた戸崎圭太騎手が、先週の地方交流GI JBCレディスクラシックで落馬負傷。藤岡佑介騎手に乗り替わりとなってしまいました。藤岡騎手はテン乗りになりますから、さすがに割り引く必要があるでしょう。

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