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英GⅠに挑むベテラン馬、シュヴァルグランに
3つの吉兆あり (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by ZUMA Press/AFLO

「24時間前の馬場だったら、パーフェクトだったんですけど......」

 2戦連続で手綱を取るオイシン・マーフィー騎手も、前走で急変した天気に恨み節をこぼした。それでも、完全にバテて止まったのではなく、逆にバテた馬を交わして6着まで順位を押し上げたのはこの馬の能力によるものだろう。今回も相手は手強く、7歳馬はそもそも出走自体が稀で過去に優勝馬がいないが、吉兆がないわけではない。

 ひとつは、同じ厩舎に滞在するディアドラ(牝5歳)が、8月1日に行なわれたGⅠナッソーステークス(グッドウッド/芝1980m)を制したことだ。

 欧州の芝コースは、日本よりも自然に近い状態でパワーも要求されるため、馬に求められる筋肉のつき方、その使い方も異なる。しかし、ディアドラがプリンスオブウェールズSを走った(6着)4週間後にナッソースSを制したように、中長期の続戦は"欧州仕様"へのチューンアップが期待できる。シュヴァルグランも6着に終わった前走から中3週で出走するため、イギリスでトレーニングを積みながらも、その疲れをあまり残さずに戦えるはずだ。

 もうひとつは、前走に続きマーフィー騎手が騎乗する点だ。ナッソースSでディアドラを栄光に導いたのも、昨年のインターナショナルSでロアリングライオンを駆って勝利したのもマーフィー騎手だった。このように、シュヴァルグランにとって現状での最高のピースは揃ったといえる。7歳の"ベテラン"が歴史を変える走りを見せてくれることを期待したい。

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