1億6500万円の高値がついたサトノフラッグは2歳世代のエース候補
厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第7回:サトノフラッグ
里見治氏と言えば、高額の良血馬を数多く所有する馬主として知られる。現在は、こうした馬主事業については法人化し、『サトミホースカンパニー』の名義で競走馬を所有。「サトノ」の冠名のもと、毎年のように活躍馬を出している。
そんな"サトノ軍団"の中に、今年も有望な2歳馬がいる。美浦トレセンの国枝栄厩舎に所属する、サトノフラッグ(牡2歳/父ディープインパクト)である。
デビューに向けて順調に調整されているサトノフラッグ 競走馬のセリ市「セレクトセール」に当歳で上場された同馬は、里見氏に1億6500万円(税別)の高値で落札され、ファンの注目を集めた。その逸材が、今年デビューを迎えるのである。
これほどの高額になったのは、この馬の血統背景にある。同馬の母バラダセールは、アルゼンチンで現役時代を過ごし、GIを2勝。同国の3歳牝馬チャンピオンに選ばれた。
アルゼンチンは決して競馬の先進国ではないが、ここ最近、この国で活躍した牝馬が日本で繁殖生活を始め、次々に活躍馬を出しているのだ。そうした日本競馬との相性のよさも、高評価につながったのだろう。
いずれにせよ、引退後に来日し、繁殖生活を開始したバラダセール。彼女が2017年に生んだのがサトノフラッグである。リーディング種牡馬のディープインパクトが父となれば、1億6500万円という高値をつけたのも頷ける。
そのサトノフラッグについて、これまで同馬に関ってきた人たちはどう見ているのか。育成を行なったノーザンファーム早来の木村浩崇氏は、春の取材でこう評していた。
「サトノフラッグは、もっとも早いペースで育成を進められた馬の1頭。うちの厩舎のエース格ですね。ディープインパクト産駒らしい柔らかさがあり、重心の低い走りには好感が持てます。いい動きをしていますし、(同馬への)期待は大きいです」
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