検索

穴党記者が好物の函館記念。
ウマい配当がいただけるのは、この4頭だ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 7月14日に行われるGIII函館記念(函館・芝2000m)は、穴党が待ちに待ったレースと言えるだろう。というのも、2006年にエリモハリアーが勝利して以来、1番人気が12連敗中。過去10年の成績を見ても、0勝、2着1回、3着0回、着外9回と、馬券圏内(3着以内)に絡むことさえ、稀(まれ)だからだ。

 こうした1番人気の不振は、配当にもよく現れている。三連複の配当が1万円以下だったのは、過去10年でわずか1回のみ。ここ2年連続で10万円オーバーの高配当となっている。三連単に至ってはさらにすごくて、過去10年で10万円オーバーの好配当が8回もあって、一昨年(91万5320円)と昨年(57万1480円)は50万超えという高額配当となった。

 1番人気がこれほど苦戦し、毎年波乱が起こっているのはなぜか。デイリー馬三郎の吉田順一記者はこう語る。

「ひとつは、別定戦の重賞やオープン特別を走った前走が、(馬を評価する)ある程度の判断ベースとなっているからでしょう。そうして、そこで惨敗した馬や、好走してもフロック視された馬は評価を下げるわけですが、ハンデ戦となる函館記念ではあっさりと巻き返してくる――そこに、同レースの難しさがあると思います」

 そんな函館記念において、どういったタイプが好走するのか。吉田記者はこう分析する。

「小回りの芝2000mで、時計がかかる設定のうえ、ハンデ戦ということもあって、出走馬の大半に勝つチャンスがある一戦。各馬が色気を持つためか、乱ペースになることが多いのが、ひとつの特徴としてあります。その結果、序盤から厳しい流れで進むため、上がりが35秒後半~36秒台になることもざら。勝ち負けを演じるには、一瞬の決め脚はいらず、どれだけしぶとい脚を使ってしのげるか、そこが重要になります」

 言い換えれば、府中や京都などの春の中央場所で、見た目に鮮やかな勝ち方をしてきた馬ほど人気になりやすいが、それらは"危険な人気馬"になるということだ。

 そして今年、1番人気になりそうなのは、エアスピネル(牡6歳)。重賞3勝、GI戦線でも好走を重ねているように、実績は突出している。しかし、1番人気馬にとって"鬼門"の函館記念。吉田記者は当然、疑問の目を向ける。

「タフな設定の芝2000mにあって、エアスピネルにとっては約8カ月ぶりの実戦。追うごとによくなっているようですが、それでも年齢的なものあり、絶好調時の雰囲気はありません。それでいて、最重量となる58㎏を背負わされるのは、酷だと思います」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る