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きたらスゴイぞ! 桜花賞の超大穴に、
あの「暴れん坊ムスメ」が浮上

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年もクラシックが開幕します。

 今の時代、GIの数が増加。今年は地方交流重賞のJBC競走も京都で開催されることになり、JRAの平地GIは計27鞍にも上ります。

 そうは言っても、クラシックは特別です。

 競走馬にとって、一生に一度しかないタイトルですし、何より伝統があります。騎手や調教師、厩務員などトレセン関係者のみならず、馬主や生産者など競馬に携わる者ならば、誰もが憧れる舞台。それが、クラシックです。

 そのクラシック開幕を告げるのが、3歳牝馬が覇権を争う桜花賞(4月8日/阪神・芝1600m)です。

 話題の中心、人気の中心は、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日/阪神・芝1600m)を含めてここまで重賞3勝、デビューから4戦負けなしで完全勝利を続けているラッキーライラックです。

 新馬戦からアカ抜けた競馬をしていましたが、今年の始動戦となったチューリップ賞(1着。3月3日/阪神・芝1600m)では、さらに成長した姿を見せてくれました。もともと牝馬にしては大柄な馬でしたが、一段と大きくなって、牡馬のような風格が漂っていましたね。それが見かけだけでなく、レースぶりにも存分に表れていました。

 まだ緩さの残る馬体で、明らかに先を見据えた仕上がりに見えたのですが、そんな緩さを感じさせない反応のよさで完勝。ライバルと目されていた2着マウレア、3着リリーノーブルとは、「完全に勝負づけが済んだ」という印象を強烈に与え、まさに「強い」のひと言でした。

 とにかくセンスがよく、好位で折り合えるうえ、仕掛けると瞬時に反応。なおかつ、抜け切る脚があり、抜け出してからも遊ぶことなく、しっかりと伸びます。そのレースぶりには非の打ちどころがありません。負けるイメージを浮かべることのほうが難しい馬ですね。

 懸念があるとすれば......、馬場が悪くなったときでしょうか。ちょうど1年前、4戦4勝のソウルスターリングが緩い馬場の影響で、桜花賞を取りこぼしてしまいました。

 ラッキーライラックの場合、雨の中での競馬は経験していますが、馬場はそこまで緩いものではありませんでした。そのあたり、未知な部分があるのは確かです。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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